ひろ投資ブログ

米国株と高配当、国債の分散投資

雇用統計とCPIから見る、市場とFRBの考え方の差

FRBメンバーは株式市場に水を差す発言(金利を高いまま据え置く、5%超など)言っています。

一方で株式市場は2022年の安値まで株価は下落していませんし、債券市場は米国2年債利回りが4.2%付近でFRBのいう5%には届いていません。

FRB金利を5%超に上げると言っていますが、市場はそれを信じていない状況が続いています。

今回の記事は雇用統計とCPIから、FRBと市場の考え方の差の違いを見ます。

 

雇用は好調、インフレは鈍化している

まず現時点で間違いない事実は、アメリカの雇用は好調でインフレは鈍化しているということです。

これは現時点で間違いのない事実でしょう。

 

JETROより

 

失業率3.5%は間違いなく雇用が強いことを表しています。

 

JETROより

 

消費者物価指数は7.1%と以前高い水準ではありますが、鈍化傾向が続いています。

雇用統計と消費者物価指数を見ると、アメリカの現時点度のトレンドは、「雇用は強く、インフレは鈍化している」ことが見えます。

 

間違ったメッセージを送りたくないFRB

FRBが雇用が強く、インフレが鈍化傾向にある事実を知りながら、今もタカ派発言を繰り返すのはなぜでしょうか。

それはFRBがインフレ退治から後退したと思われることを防ぎたいからです。

もしFRBがインフレ退治に成功したと世の中が思えば、株高を招き資産価格の上昇により再びインフレが再燃しかねません。

また世の中が「インフレは過去のもの」と思えば、インフレ期待が高まる可能性もあります。

 

【2023年】FRBの動向と議長、総裁、理事の発言のまとめ。 - 株式ニュース

 

市場は現実を見ている

一方で市場は現実を見ています。

FRBの言っていることと現実にはギャップがあります。

まず「インフレがすでに鈍化しているのに、これ以上利上げをする必要はない」ということです。

2022年にかけてFRBは利上げをしてきましたが、その成果もありインフレは鈍化しています。

今の金利水準でインフレに抑制効果があることは明らかです。

またFRBの目的は「雇用と物価」であり、物価が安定の兆しを見せ始めている以上、雇用を損なう可能性のある利上げは必要ないのではないか、ということです。

 

今、いったん利上げを打ち止めして効果をみるのが適切ではないか、という声があります。

それが一番合理的な考え方でしょう。

それを市場はわかっているので、FRBメンバーによる利上げ発言があっても、現実の事実を考えると、大幅な利上げはないのではないかと予想しているのです。

 

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FRBの間違いが利益を生む

FRBが間違えていることはよくあることで、2021年にパウエル議長がインフレは一時的だと言っていたことは記憶に新しいです。

今回もFRBタカ派発言が間違っている可能性があります。

そして2022年がそうだったように、FRBの間違いは利益になります。

2022年はインフレが一時的はなかったがゆえに、政策金利を引き上げ、株価は下落しました。

それを分かっていた投資家は2022年は利益を出した年になりました。

今回もタカ派コメント、より一層の政策金利の引き上げが間違っていれば株価は回復する可能性があります。

 

【米国】1979〜1985年のFRB政策金利、消費者物価指数、S&P500のデータと推移。 - 米国株×日本株