ひろ投資ブログ

米国株と高配当、国債の分散投資

【2023年1月2〜1月15日】FRBの動向と議長、総裁、理事の発言のまとめ。

この記事は現在のFRBの動向と発言を時系列で追っています。

時系列で追うことにより、FRBが考えていることの変化や現在考えていることを明確にしていきます。

2023年1月15日第2週

1.FRBの動向、発言

FRBの動向とFRB議長や総裁、理事の発言を見ていきます。


a.米地区連銀総裁2人、政策金利は「5%超」でピークに - Bloomberg

 

b.ボウマンFRB理事、一段の利上げ必要-ピーク水準でしばらく維持を - Bloomberg

 

c.フィラデルフィア連銀総裁、「この先は」0.25ポイント利上げが適切 - Bloomberg

 

d.ボストン連銀総裁、25bp利上げに傾斜-停止水準に「近づいている」 - Bloomberg

 

e.アトランタ連銀総裁、25bp利上げに「違和感ないだろう」-CPI受け - Bloomberg

 

f.リッチモンド連銀総裁、「より慎重」な利上げが適切-インフレ減速で - Bloomberg

 

g.セントルイス連銀総裁、金利は「可能な限り早期に」5%超に引き上げを - Bloomberg

 

先週はFRBメンバーの考え方に変化があった週でした。

次回の利上げ幅を0.25%にするのが適切だという発言が増えています。

一部のメンバーは強固に5%超に引き上げるべきだと主張していますが、先週に比べ、全体としてみると、ハト派に傾いています。

ハト派に傾いた理由は、12日の消費者物価指数の結果です。

市場予想通りに6.5%へと減速しました。

 

フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、「一度に0.75ポイント引き上げる局面は確実に過ぎ去った」、アトランタ連銀のボスティック総裁は、「政策金利は現在、景気を抑制する領域に入っている」と発言しています。

ハーカー総裁の認識はインフレのピークは過ぎ去ったというものであろうし、ボスティック総裁の認識は、現在の政策金利は景気を抑制する水準であるというものであろうと思われます。

一方でセントルイス連銀のブラード総裁は、「政策金利を5%超へと速やかに引き上げるべきだ」との認識を示しています。

サンフランシスコ連銀のデーリー総裁も5%超への引き上げを支持しています。

このようにタカ派ハト派が入り混じる状況ですが、以前のようにタカ派一色という状況ではありません。

 

ただしFRBメンバーの共通認識は存在します。

おれは「政策金利を高いまま据え置く」ということです。

政策金利はどこまで引き上げられるのか、5%超なのか、そこまでいかないのかはわかりません。

例えば5%まで引き上げたとして、それを長期間そのままで据え置くというのがFRBメンバーの基本姿勢のようです。

 

最後に先週は注目のパウエル議長の発言がありましたが、金融政策に関することの重要な発言はありませんでした。

気候変動に関する発言でした。

 

【アメリカ経済指標】今週と先週の重要指標の影響を考える - 株式ニュース

 


2.市場の見方

FRBの見方に対し、市場は現在どう見ているのかを考察します。

 

FRBより債券市場に注目を、債券60%/株式40%推奨-ガンドラック氏 - Bloomberg

 

この記事はブルームバーグが、債券王ガンドラック氏の考え方をまとめているものです。

ガンドラック氏は、

連邦準備制度より市場が言うことに注目すべきだと強く勧める」

連邦準備制度が5%に持っていくことはあり得ない。債券市場は事態を掌握しているが、連邦準備制度は掌握していない」

との考えを示しています。

FRBにかなり手厳しい考えですが、おそらく市場の認識は似たようなものだと思います。

米国債の利回りはどの年限をとっても5%を超えていません。

これは市場がFRB政策金利を5%超に上げることを想定していないことになります。

 

ただし今回の消費者物価指数の発表でFRBメンバーの中にハト派が増えたことにより、市場とFRBの認識の差がある程度解消された可能性があります。

最近の株高を考えると、市場とFRBの緩和よりの姿勢が強調され、空気感としては以前のような悲観色が強い状況ではないようです。

 

 

3.記事まとめ

記事のまとめです。

FRBメンバーの発言を見ると、メンバーの中に0.25%利上げに傾いている、ハト派が増えていることが示されています。

しかし全てがハト派ではなく政策金利を5%超に引き上げるタカ派メンバーもまだ存在します。

FRBメンバーの共通認識は「政策金利を高いまま据え置く」ことです。

金利はある程度まで引き上げられると、そのまま据え置かれる可能性が高いです。

 

一方で市場はFRBの考えを信用していません。

が、FRBメンバーの間でハト派の考えが増えたことにより、市場とFRBの認識の差が縮まった可能性があります。

 

2023年1月8日第2週

1.FRBの動向、発言

FRBの動向とFRB議長や総裁、理事の発言を見ていきます。


a.FRB当局者、利上げ継続の必要性を相次ぎ強調-物価圧力緩和でも - Bloomberg

 

b.クックFRB理事、インフレ鈍化の兆候ある-まだ高過ぎると強調も - Bloomberg

 

c.FOMC議事要旨:インフレ押し下げの決意確認、市場の認識懸念 - Bloomberg

 

d.ボスティック総裁、次回利上げ幅「25bpでも50bpでも違和感ない」 - Bloomberg

 

e.セントルイス連銀総裁、政策金利は十分に高い水準に近づきつつある - Bloomberg

 

f.ミネアポリス連銀総裁、政策金利ピーク5.4%を支持-インフレ抑制で - Bloomberg

 

先週はFRBメンバーの発言が相次ぎました。

主だった内容は、「インフレはまだ高い、金利を5%超に引き上げるべき」というものです。

その中でもミネアポリス連銀総裁は政策金利5.4%を明確に支持していて、タカ派なコメントを残しています。

ただし先週のコメントを見る限り、FRBメンバーは雇用統計の結果を受けて、若干の考え方の変化を起こしているかもしれません。

クックFRB理事は「インフレ上昇圧力がさらに強まる恐れがある」としながらも、「インフレ圧力が弱まっている兆しもある」と発言しています。

 

先週の何人かのトーンダウンした発言をそのまま鵜呑みにするのは危険ですが、市場予想を大幅に下回ったISM非製造業景況指数などの指標を考えると、FRBメンバーもインフレの鈍化を感じているのかもしれません。

 


2.市場の見方

FRBの見方に対し、市場は現在どう見ているのかを考察します。

1月6日の株価大幅高を考えると、市場はFRBが強固な金融引締めを若干鈍化させると予想しているのかもしれません。

6日の雇用統計で発表された平均時給は前月比0.3%と市場予想の0.4%を下回りました。

また11月分の下方修正されています。

賃金の伸びはインフレに直結するため、伸びの鈍化はFRBメンバーの考え方に変化をもたらすことを市場は予想しています。

 

 

3.記事まとめ

1月6日のまとめです。

FRBタカ派トーンを崩していませんが、雇用統計の結果などを踏まえ、若干タカ派のトーンを落としている兆候が見られます。

ただしまだまだインフレは高いと認識しているので、一気に金融引締めをやめると考えるのは時期尚早です。

 

一方、市場の見方はFRBが強固に金融引締めをすることはないとの見方が浮上しています。

 

【歴代FRB議長一覧】各議長の実績や在任期間のまとめ。 - 株式ニュース

 

2022年12月25日

1.FRBの動向、発言

FRBの動向とFRB議長や総裁、理事の発言を見ていきます。


1.FOMC、来年はややハト派に傾斜か-投票権を持つ4人が交代 - Bloomberg

 

発言はありませんでしたが、ブルームバーグから投票権を持つメンバー交代の記事です。

タイトルにあるように、投票権を持つメンバーが入れ替わり、来年は少しハト派に傾斜するかもしれません。

CPI,PCEデフレーターでインフレの鈍化傾向が確認されている以上、いつまでも金利を上げることは理にかないません。

2023年は利上げトレードよりも、むしろ利下げトレードではないでしょうか。

 

2.経済指標

次に先週発表された経済指標と今週に発表される経済指標です。


1.先週の経済指標

12/22(木) 7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値)(前期比年率) 2.9% 2.9% 3.2%
12/23(金) 11月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比) 6.0%
(6.1%)
5.5% 5.5%
  11月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比) 0.2%
(0.3%)
0.2% 0.2%
  11月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比) 5.0% 4.7% 4.7%
  11月新築住宅販売件数(年率換算件数) 63.2万件
(60.5万件)
60.0万件 64.0万件
  11月新築住宅販売件数(前月比) 7.5%
(8.2%)
-4.7% 5.8%

 

GDPは予想以上に上昇しています。

これは個人消費が予想より強かったためです。

アメリカの個人消費の強さには毎回驚かされます。

ただ、個人消費がいつまで持つのか、10~12月は小売売上高が落ちていることもあり、GDPが落ちる可能性があります。

 

PCEデフレータは市場予想と完全に一致。

インフレの鈍化が確認されています。

 

新築販売件数は市場を上回る数値。

金利が上昇しても、強い住宅指標を示しています。


2.今週の経済指標

今週は重要な経済指標はありません。