2023年1月2日〜2023年1月20日までのアメリカの重要経済指標とその影響を考える記事です。
《2023年1月16~20日》小売売上高の発表
今週の経済指標です。
今週は18日に小売売上高の発表があります。
前回の小売売上高は市場予想を下回る弱さでした。
小売売上高はそれまで好調さを維持していただけに、米国の消費が弱まっていることが示唆されました。
今回も市場予想は前月比−0.8%と弱いものが予想されています。
小売売上高が弱いようだと、FRBによる政策金利の引き上げにブレーキがかかると予想され、株価は上昇する可能性があります。
逆だとFRBは政策金利を引き上げられると予想され、株価は下落する可能性があります。
ただし小売売上高は、先月を除けば、株価を大きく変動させていないので、少しの変動で終わる可能性もあります。
次に先週の経済指標です。
パウエル議長の発言は無風でした。
気候変動に対するもので、「FRBは気候変動に関われない」というものでした。
金融政策に関する発言はほぼありませんでした。
消費者物価指数は市場予想通りでした。
株価は変動しませんでした。
市場予想通りということもあったでしょうが、市場はインフレが鈍化していることをすでに十分に認識しており、インフレは市場の重要なテーマから外れつつあるのかもしれません。
【2023年】FRBの動向と議長、総裁、理事の発言のまとめ。 - 株式ニュース
《2023年1月9〜13日》消費者物価指数の発表は大きな影響がある
1月9〜13日の重要経済指標は、「パウエル議長発言」「12月消費者物価指数」があります。
消費者物価指数の市場予想は「前月比0.0%」「前年同月比6.5%」「コア前月比0.3%」「コア前年同月比5.7%」となっています。
パウエル議長の発言ですが、発言次第では大きな影響を市場に与えます。
仮に従来のタカ派発言がトーンダウンさせたものとなれば、市場は金融引き締めからの転換と受け止め、株価は上昇、国債利回りは低下となるでしょう。
ただし最近の他のFRBメンバーの発言などを考えると、パウエル議長の発言が急にトーンダウンするとは考えにくいです。
従来どおりの「データ次第」「インフレは高い」という姿勢になるのかもしれません。
【2023年】FRBの動向と議長、総裁、理事の発言のまとめ。 - 株式ニュース
次に消費者物価指数です。
今回の発表が今後のFRBの姿勢、株式市場、国債市場の行く末を決めるといっても過言ではありません。
それほど重要な経済指標です。
もし市場予想より高い数値となれば、今後の流れとして、FRBのタカ派姿勢の継続、株価弱気の継続、国債利回り上昇となります。
市場予想よりも低い数値をなれば、FRBのタカ派姿勢が少し緩くなる可能性、株価上昇、国債利回り低下が予想されます。
材料出尽くしなどで逆の動きとなる可能性もありますが、基本的にはその流れで見ていいと思います。
2022年12月18日
1.FRBの動向
まずFRB議長や総裁、理事の発言を見ていきます。記事はすべてブルームバーグからです。
1.パウエル議長、「なお道のり残る」-0.5ポイントに利上げ減速後も - Bloomberg
2.NY連銀総裁、労働市場の逼迫が利上げ正当化-5.1%超える可能性も - Bloomberg
3.デーリーSF連銀総裁、インフレ抑制への「道のりはまだ長い」 - Bloomberg
4.メスター総裁、インフレ退治には5%超の金利を維持する必要 - Bloomberg
FRB幹部は一応に、「景気抑制的なスタンスを続ける」「インフレ退治への道のりは遠い」と発言しています。
これを株式市場は嫌気し株価は大幅に下落しています。
FOMCの政策金利は予想通り0.5%の引き上げでしたが、パウエル議長の発言が予想以上にタカ派と受け止められています。
2.経済指標
次に先週発表された経済指標と今週に発表される経済指標です。
1.先週の経済指標
消費者物価指数は予想以上に低下しました。
インフレは低下傾向が続いています。
現在のガソリン価格を考えると、来年はまだ下がりそうな気配です。
ただし先ほども見たとおり、FOMCでは利下げの議論はされておらず、むしろインフレはまだ続いているとして、利上げを継続する姿勢です。
小売売上高は予想以上に低下。
消費者がモノを買わない傾向が示唆されます。
モノが売れない傾向でさらにインフレ率が低下することが予想されます。
全般的にみるとインフレと景気は低下傾向ですが、FRBはまだまだ利上げを継続するつもりのようです。
2.今週の経済指標
今週はGDP、PCEデフレーター、11月新築住宅販売件数の発表があります。
住宅指標は流石に下がりそうですが、前回は予想以上に増加していましたので、どうなるのかわかりません。
PCEデフレーターは予想以上に低下すれば、株価支援的になると思うのですが。
3.記事まとめ
FRBは景気抑制的なスタンスをまだ続ける姿勢です。
ただしパウエル議長の言うように、データ次第なので次回のFOMCでは姿勢が変化する可能性もあります。
FRB当局者にとっては「トーク」も市場を動かすツールですので、インフレを抑えたいために、あえてタカ派トーンにしている可能性もあります。
とにかくFRBの動向はデータ次第です。
経済指標ですが、景気とインフレが低下している傾向が示唆されています。
そろそろ次のステージ、インフレが普通の状態になることを想定してもいいのですが、インフレが再び盛り返すことを恐れているFRBは、景気抑制的なスタンスをまだ見せています。