今回の記事はビル・アックマンの記事です。
ビル・アックマンは物言う株主(アクティビスト)として有名で、彼の発言、動向はブルームバーグなどの記事に度々取り上げられています。
最近では2020年のコロナ相場での大儲けが知られていますが、製薬会社バリアントの投資の失敗、ネットフリックスへの投資の失敗など大きな失敗も数多く経験しています。
一方で2019年にはロイターが選ぶ、「世界でパフォーマンスの高いヘッジファンドの1つ」に選ばれるなど、波乱の大きいパフォーマンスを残しています。
そんなビル・アックマンの経歴ですが、不動産会社を経営する父親のもとに生まれ、ハーバード大学を卒業するなどエリートコースを歩んでいます。
生まれ育ちはエリートコースでしたが、彼が投資家として大きな成功を収めるまでに、訴訟問題や他社からの攻撃、取引の失敗で巨額な損失の計上などピンチの連続でした。
- 生年月日など基礎的データ
- 生い立ち〜学生時代(1966〜1992)
- 投資会社ゴッサムパートナーズ設立(1992年)
- ゴッサムパートナーズの失敗(2002年頃)
- 新たなヘッジファンド、「パーシング・スクエア」の立ち上げ(2004年)
- 参照サイト
生年月日など基礎的データ
正式な名称:William A. Ackman
生年月日:1966年5月11日
生誕地:ニューヨーク州チャパクア
家族:妻ネリ・オックスマン(2019年〜)
生い立ち〜学生時代(1966〜1992)
ビル・アックマンはニューヨークの不動産仲介会社会長の息子として生まれました。
非常に裕福な家庭で育った彼は、1988年にハーバード大学を優秀な成績で卒業。
卒業後、2年間父親の会社で働き、1990年にハーバードビジネススクールに入学し、1992年にMBAを取得しました。
投資会社ゴッサムパートナーズ設立(1992年)
ビル・アックマンはハーバードビジネススクールに在校中も父親の会社で働いていました。
しかし1992年にハーバード大学の卒業生である「デビッド P. バーコウィッツ」とともに投資会社「ゴッサムパートナーズ」を設立します。
この会社は上場企業の株に投資する投資法を取っていました。
1995年にアックマンはニューヨークを代表する建造物「ロックフェラーセンター」の取得を計画します。
当時の不動産市況は低迷していて、安値でロックフェラーセンターを手に入れ、再建した後売却しようという計画でした。
今のアックマンの手法に通じるものがあります。
結局、アックマンがロックフェラーセンターを手に入れることは叶わず、大手グループがロックフェラーセンターを取得します。
しかしアックマンが買っていた株は大手グループに高値で買い取られ、大きな利益を手にします。
そしてこの出来事でビル・アックマンの名前は業界に知れわたり、運用資金がゴッサムパートナーズに流れ込むことになります。
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ゴッサムパートナーズの失敗(2002年頃)
ロックフェラーセンターの取引後、ゴッサムパートナーズには資金が流れ込みましたが、アックマンは多くの失敗を犯します。
今日では一般的なアクティビストの行動、対象となる企業の欠陥、失敗を公に攻撃する手法ですが、2000年代初期にはまだ珍しいものでした。
アックマンがこの手法を取り入れたことにより、周りから逆に反撃を受けたのです。
まずアックマンが対象に選んだのが、連邦農業抵当公社でした。
この取引はうまくいきましたが、次に狙ったの金融保証保険の「MBIA」への攻撃が裁判所や検事総長の怒りを買います。
連邦農業抵当公社やMBIAは政府系金融機関でした。
裁判所からはゴッサムパートナーズが進めていた合併交渉を差し止められます。
検事総長からはMBIAの欠陥を書いた報告書が誤った情報であると訴えられます。
結局、この報告書に誤りはなかったのですが、ゴッサムパートナーズには悪評が立ち、パートナーは去り、ゴッサムパートナーズは閉鎖に追い込まれます。
新たなヘッジファンド、「パーシング・スクエア」の立ち上げ(2004年)
ゴッサムパートナーズの閉鎖後、アックマンは「パーシングスクエアマネジメントキャピタル(Pershing Square Capital Management)」を立ち上げます。
立ち上げ資金は自分の自己資金と、以前ロックフェラーセンターの取引で知り合った大手金融サービス会社の会長から5000万ドルの資金をあてました。
参照サイト
William A. Ackman - Pershing Square Foundation
パーシング・スクエアのビル・アックマン(前編)―デリバティブを奏でる男たち【17】― - みんかぶ(先物)
パーシング・スクエアのビル・アックマン(後編)―デリバティブを奏でる男たち【17】― - みんかぶ(先物)