ひろ投資の大原則ブログ

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【FRBの動向11.13】利上げペースの減速を発言するFRB高官が増える

この記事は1週間のFRBの動向を追う記事です。主にFRB議長や総裁、理事の発言を追っています。

 

株式投資をする場合、2つの方法があります。1つ目は売買せずにずっと保有する方法。2つ目は自分の判断で売買する方法です。1つ目の投資法が正解で間違いのないやり方です。しかし中には2つ目の方法を選ぶ人間もいます。私もその中の1人です。私の場合頻繁に売買はしませんが、相場の変化を感じたときに売買をします。

 

自分で売買するには情報が必要です。必要な情報の中にFRBの動きは必ず含まれています。FRBの動きは世界経済に影響を与えるからです。また相場格言「Don`t Fight The FED.」という言葉もあります。FRBの動きを追わずに投資はできないと言っても過言ではありません。

 

FRB議長、総裁、理事の発言

まずFRB議長や総裁、理事の発言を見ていきます。記事はすべてブルームバーグからです。

 

1.クリーブランド連銀総裁、金融引き締めが不十分なリスクの方が大きい - Bloomberg

www.bloomberg.co.jp

 

2.FRB、インフレ率2%に向け手を緩めず-リッチモンド連銀総裁 - Bloomberg

www.bloomberg.co.jp

 

3.カシュカリ総裁、FRBはインフレ抑制で必要な措置講じる - Bloomberg

www.bloomberg.co.jp

 

4.ボストン連銀総裁、過剰引き締め「リスク高まった」-大幅利上げで - Bloomberg

www.bloomberg.co.jp

 

5.ローガン氏ら米地区連銀総裁、利上げペースの減速を支持 - Bloomberg

www.bloomberg.co.jp

 

先週は消費者物価指数が発表されたことで注目の発言が多くなっています。これらの発言で注意を引くのは、ハト派の発言が増えたことです。正確にいうと従来の「インフレを抑えるためにもっと金融緩和をするべきだ」という発言から「インフレはピークを迎えた可能性があるので、経済を必要以上に壊さないために、利上げのペースを落とすことを議論するべき」という発言に数人の高官がシフトしていることです。

 

ハト派というほど金融緩和ではないのですが、従来の金利引き上げ一辺倒からすれば、トーンダウンといえます。

 

利上げペースの減速が主流となるか

10月までのFRB、先日の消費者物価指数の発表までのFRBを支配するテーマは、「インフレを退治するために利上げを続ける」でした。このテーマで考えている高官もまだFRBにはいます。

 

一方、消費者物価指数でインフレペースの鈍化が確認されたことにより、FRB高官に「利上げペースの減速」をテーマとする発言が増えています。FRB内でこのテーマに沿った発言が増えれば増えるほど、株価にとってはプラスです。

 

冒頭のブルームバーグの記事を見ると、「利上げを続ける」というFRB高官はまだいますし、「利上げペースの減速」という高官もいます。どちらが主流となるかは難しい局面です。というのも、インフレが収まったといって手を緩めると再びインフレが再燃する懸念は十分にあるので、利上げを続ける説には説得力があります。

 

しかし利上げを続けることで経済が壊れるという説にも説得力があります。どちらにも説得力があるのは、今は経済の曲がり角で、FRBにとって難しく微妙な舵取りを迫られている局面だということです。FRBは経済という非常に大きく舵取りの難しいものを、うまくコントロールしなくてはならないのですから。

 

今週のまとめ

FRB高官に利上げペースの減速を発言する人が増えたという内容です。確かに先日の消費者物価指数をみると、インフレが減速している中でこれ以上の利上げは必要ないのではないか、むしろ経済を悪化させるリスクも見るべきだ、という説は理解できます。一方でインフレの再燃も怖いよね、という説にも理解できます。

 

投資家として重要なのは、インフレを巡るステージが一歩進んだ、ということじゃないでしょうか。少なくともインフレがまだ上昇するという状況ではないということです。それは消費者物価指数で確認されています。

 

インフレ悪化=FRBによる利上げ=株価の下落という2022年9月までの流れとは、かなりステージが違ってきているのではないかと考えています。

 

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