先日からこのブログでは株高に疑問を感じる記事を書いてきました。株高に疑問を感じる理由は、FRBの利上げ継続や景気後退の中での株高は、矛盾しているというファンダメンタルな要因からでした。今回の記事ではVOO(S&P500)のチャートから、テクニカルな視点から論じます。
VOOのチャートです。見づらいかもしれませんが、緑色の線が上値抵抗線、赤色の線が200日移動平均線、青色が50日移動平均線を表しています。またボリンジャーバンド、MACD、RSIも表示しています。
☆この記事で言いたいこと☆
主要なテクニカル指標から、S&P500は買われすぎ水準に達していることがわかる。また200日移動平均線や上値抵抗線の強い抵抗レベルも重なり、これ以上の株価上昇は難しいかもしれない。
MACD、RSI
まずMACDを見てみます。MACDをみればわかりますが、現在の水準はとても高いところに位置しています。この高さは過去10年を見ても1度しかなく、それはコロナで株価が下がりその後株価が急回復した、2020年6月以来です。ちなみに2020年6月のときには、その後株価は10%程度下落しています。
次にRSIです。RSIは買われすぎ水準の70を超えましたが、昨日の株価下落で70を切っています。RSIはMACDと違い、過去10年で1番高いということはなく、70を超える水準は何度かありました。しかし70を超えたその後を見ると、ほとんどの場合が買われすぎ水準の70を再び割り込んでいます。
200日移動平均線、上値抵抗線
テクニカル分析の中でも信頼感が高い200日移動平均線は、株の上昇を阻む抵抗線となっています。
200日移動平均線は下抜ければ弱気相場になったり、逆に上抜ければ強気相場になったりと、相場の転換に絡むことが多いです。そして株価の抵抗線や支持線として機能することも多いです。現在のS&P500は200日移動平均線にタッチしている状況です。
また過去の高値を結んだ線である上値抵抗線も株高を阻む抵抗レベルとなります。株価はこの上値抵抗線にもタッチしている状況です。
複数のテクニカル要因による株価下落
テクニカル要因を無視する意見もありますが、テクニカル要因は株式市場に影響を与えています。例えば週足で見るMACDは、今回の株高を示唆していました。
MACD、RSI、200日移動平均線は、世界中の投資家が参考にしているテクニカル指標です。これらのテクニカル指標が売られすぎや抵抗レベルを示唆すると、世界中の投資家が警戒する要因となります。
1つのテクニカル要因なら過度な警戒は禁物かもしれませんが、ここまで複数のテクニカル指標が重なると警戒感を抱かずにはいられません。
ではどうするか?
やはり警戒をするべきです。個人的には現金比率を高めます。売りから入るのも良いかもしれませんが、強気派も増えている状況ですので、売りから入る場合は少額が良いと考えています。個人的には今は買い場を探す時期ではないかと。現金比率を高め、その後の株高を期待して買いの場面を探す時期だと考えています。