投資経済研究所

投資は長い時間をかけて大きくするもの。短時間で手に入ったものは短時間で失う。

米国の経済指標は良い悪いものが混在。それが株安に繋がる恐れ。

上昇が続いている米国株ですが懸念も多いです。懸念としては「FRBの利上げはソフトランディングではなく、ハードランディングを招くのではないか」「FRBはインフレを根絶するために、市場の予想以上に利上げを行うのではないか」ということがあります。

www.bloomberg.co.jp


懸念は債券トレーダーの間で根深いようです。ブルームバーグの記事ですが、逆イールドが発生している今、景気後退を招く確率は高く、株高は続かないのではないかとあります。


このような懸念があるのは、結局のところ「米国経済はどこまで悪くなるのか」「ハードランディングなのか、それともソフトランディングですむのか」というところを、市場が今だに読み切れていない証だといえます。読みきれないのは経済指標が良いもの悪いものが混在しているからです。


☆この記事で言いたいこと☆

米国経済はどこまで悪くなるのか。これまでに発表された経済指標から読み解くことは難しい。株式市場は先行き不透明を市場は嫌うもの。先の読めない今、わからないということが株安に繋がる恐れがある

相反する経済指標

経済指標の王様は「雇用統計」です。8月5日に発表された雇用統計は、非農業雇用者増加数が前月比+52万8,000人、失業率は3.5%に低下するなど非常に強い数値でした。これの意味するところは「米国経済は強い」です。


一方で15日に発表されたNY連銀製造業景気指数は、市場予想を大幅に下回る−31.3、16日に発表された住宅着工件数も市場予想を下回っています。これの意味するところは「米国経済は弱い」です。


このように良い指標と悪い指標が混在しているのが今の状況です。消費者の需要は強いと思われるのですが、金利の影響を受ける住宅は悪いですし、製造業も悪化していると思われます。


消費者の懐具合を見ると、雇用が強いので人々にはお金が入り、米国の消費者はお金を持っているように見えます。しかし実際のところ、賃金が増えてもそれ以上に物価が上昇しているので、実質賃金は減り、貯蓄を切り崩して生活しているのが実態のようです。

FRBのサイトより引用


表は米国の消費者信用残高(借金)を表したものです。2022年の6月はここ数年でもかなり高い水準にまで上昇していることがわかります。信用残高が増えると、将来の消費を減らさざるをえず、需要減に繋がる可能性があります。


分からないが故に株安

株式市場は視点の違い一つで一喜一憂します。消費者物価指数はピークを付けた可能性はあり、そこから株高に繋がりました。しかし本来怖いのは、FRBによる利上げではなかったのか。FRBの複数の幹部がまだまだ利上げは続くと言っているのに、株式市場は良い部分だけを見て株高に繋げています。


この株式市場の視点の違いがどう変わるかで、株安に再突入する可能性は高いです。というのも先程から述べているように、経済指標は相反する指標が出ています。次に株式市場の視点が悪いほうに向けば、株安に繋がることは考えられます。実際に景気指標で悪いものはあるので、そこがフォーカスされると厳しいものがあります。


経済指標は好い悪い混じり、景気の判断が分からないからこそ、株安に繋がる恐れはあると考えています。