企業型確定拠出年金(以下企業型DC)で外国株式商品を選ぶ場合、冴えない商品が多いです。
手数料が高い商品が多く、売却時に手数料を取られるものもあるなど、売る側にメリットの多い設定になっている場合があります。
一方で個人型確定拠出年金(以下iDeCo)で外国株式商品を選ぶ場合、手数料が安く、選べる商品も多く充実しています。
ただしそれだけで企業型DCよりiDeCoのほうが良い制度とは言い切れません。
むしろ企業型DCのほうがメリットがあります。
それは証券会社が徴収する「講座管理手数料」で、iDeCoは月額171円かかりますが、企業型DCは無料です。
月額171円なんて安いと考えるのではなく、何十年も毎月171円も払い続けると考えたほうが良いです。
もし企業型DCとiDeCo、どちらかを選べる場合、よく考えて決めたほうがよいです。
iDeCoしか選べない場合、まずは積立NISAや一般NISAを優先したほうがよいと思います。
また企業型DCを選ぶしても、会社が選んでいる金融機関の手数料体系がデメリットしかない場合もあります。
企業型DCよりiDeCoのほうが選べる商品が多い
私は第一生命の企業型DCに加入しています。正確にいうと、私の勤める会社が第一生命を選んでいるということになります。
私が選択している投資商品は「DIAM 外国株式インデックス」という外国株式です。
これに100%割り当てています。
「DIAM 外国株式インデックス」は外国株式に投資するインデックス型の商品です。
アメリカが65%で残りはヨーロッパが多く、日本は含まれていません。
現在、第一生命で選べる外国株式の商品は、この「DIAM 外国株式インデックス」しかなく、外国株式を選ぶならこれしか選択肢はありません。
しかしiDeCoなら多くの商品があります。
外国株式に限らず、日本株、日本債券、外国債券など他の商品を見ても、iDeCoのほうが選べる商品は多いです。
企業型DCはiDeCoより信託報酬が高めに設定されている
「DIAM 外国株式インデックス」の信託報酬は「0.275%」となっています。
しかし、iDeCoの場合は外国株式の商品として、
- たわらノーロード 先進国株式(信託報酬0.10989%)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(信託報酬0.1023%)
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド(信託報酬0.1102%)
などの商品があり、信託報酬は第一生命のものより低いです。
(ちなみに信託報酬とはその商品を持っていると、年に1度徴収される手数料のことです)。
これだけを見ると、企業型DCよりiDeCoのほうがお得と思われるかもしれません。
しかしそうとは言えない理由があります。
iDeCoは自己負担手数料がある
実はiDeCoは自己負担する手数料が大きい仕組みです。
上記のサイトはiDeCo公式HPの手数料サイト、下記サイトはiDeCoは手数料が高いという説明をしています。
簡単に書くと、iDeCoの場合、まず口座開設料が2829円がかかります。
企業型DCの場合は無料です。
なぜなら会社が負担するからです。
iDeCoの場合、最安のネット証券でも掛け金を拠出するごとに、手数料171円を負担しなければならないことです。
例えば10000円拠出するごとに171円の負担をする必要があります。
1.71%の負担率は投資の世界では大きく、長期的な視点で見てもかなり不利な状況に置かれることになります。
アメリカのS&P500はだいたい8%の成長をするといわれますが、10000円の掛け金の場合、すでに1.71%は手数料で取られることになります。
企業型DCの場合は無料ですので、この負担はないのです。
毎回171円、初期費用2829円は大きい
その他にもiDeCoには口座開設料が2829円かかります。
当然企業型DCでは無料です。
まあ一度限りの手数料である口座開設料には目をつむるとして、毎回負担のある171円の手数料は大きく、長期的には資産に与えるダメージは大きいです。
たとえ株式のリターンが大きくなっても、手数料でかなりの損をしてしまいます。
仮に外国株式よりリターンが低いとされる、国内債券や現金型の商品を選んでしまった場合、節税効果を考えても、定年後に貰えるお金は拠出した金額より増えていない可能性があります。
対処法は?
ですからiDeCoしか選べない場合は、
「拠出金額を大きくして手数料の割合を小さくする」
「リターンの低い国内債券や現金型の商品は選ばない」、
「月払いせずに、年払いする」
などの対処法を取るべきです。
また積立NISAや一般NISAを優先するという方法を取るのも良いと思います。
こちらは手数料負担がないので、安心して老後資金の形成ができます。
ちなみに企業型DCも会社が提携している金融機関によっては、手数料が高くなる場合があります。
企業型DCは金融機関によって手数料体系が違うので、デメリットしかない金融機関を会社が選んでしまっている場合も、積立NISAや一般NISAを優先したほうがいいと思います。