米国の地銀の問題が騒がれて久しいです。
私は地銀3倍ETFに投資しているので、かなり関心があります。
今後、さらにひどくなるとの報道もあります。
商業用不動産ローン問題、さらなる銀行破綻を招く恐れ-フォートレス - Bloomberg
この問題に関しては、非常に複雑になっている気がしていて、単純にさばける問題ではないです。
そもそもこの問題の発端は、シリコンバレー銀行が2023年3月にシリコンバレー銀行が破綻したあたりに騒がれ始めています。
急速に預金の流出が起こり、あっという間にシリコンバレー銀行は倒産しました。
ただし、シリコンバレー銀行やファーストリパブリック銀行は、リスク管理が上手くできていないことが問題を大きくしたといえ、個別行の問題ともいえるものでした。
そして先日起きたNYCBの問題。
これも個別の問題を多分に含んでいます。
まずNYCBは商業用不動産の中でも、集合住宅の問題あり、今、騒がれているオフィスではないのです。
NYCBのあるニューヨークでは、集合住宅の家賃規制があります。
NY市のアパート、家主が買値の半分で売却-家賃規制で採算取れず - Bloomberg
アメリカの商業用不動産向け融資~延滞率上昇は懸念材料、しかしより重要なのは個別行の状況~ |ニッセイ基礎研究所
商業用不動産の中でも様々な分野があり、その地域の状況もあります。
そしてNYCBの場合、シグネチャーバンクの資産を取得したことで、総資産が1000億ドル以上になり、当局からより厳しい審査を受けるようになったのです。
こういったNYCBの地理的、制度的、規模的な問題が、NYCBに資金の積み増しと配当金の削減を要求したことにつながっています。
ですからかなり個別の問題が加味されているといえます。
確かに地銀の問題は非常に難しい問題で、商業用不動産ローンの延滞が進むと厳しいと思われます。
しかし全部が悪いと言われるとそうではないと考えていて、かなり一行一行によって違いがあると思われます。
すべての地銀が悪いかと言われれば、違う状況でしょう。
ただ株式市場がそう簡単なところではないので、地銀株はしばらく沈んだ状況が続くと思います。