ひろ投資ブログ

米国株と高配当、国債の分散投資

FRBの今後の利上げ動向を考える

投資コラム「日々是投資脳也」今回のコラムはFRBの利上げが終わりに近づきつつあるのか、FRB政策金利の動向を考えてみます。

FRB政策金利の動向を議論するにしても個人投資家の立場で偉そうなことは言えません。しかし事実を把握し、今どういう状況なのかを考えることは出来ます。

5%まで利上げするとして残りは1.25%

FRBがどこまで政策金利をあげるのか。まず市場の見通しですが、市場はFRBが2023年11月までに5.00〜5.25%まで利上げをする可能性を見ています。そして2023年12月に4.75〜5.00%に利下げすると予想しています。


今が3.75〜4.00%の水準なので、あとは1.25%の利上げ幅が残っています。


11月のFOMCでパウエル議長は、

十分に景気抑制的と考えられる金利水準に達するまでには、なお幾分か道のりが残されている(ブルームバーグより)


と述べています。「幾分か」なので、あと少し利上げするかもしれない、ということでしょうか。パウエル議長の「幾分か道のりが残されている」と「1.25%の利上げ」は同じような距離感でしょうか。1.25%なら幾分かと同じ距離を感じます。パウエル議長の頭の中には1〜1.5%程度の利上げ幅があるのかもしれません。


ですから利上げ停止まで残り1.25%と考えることは妥当ではないでしょうか。実際には1%かもしれませんし、1.5%かもしれません。ただし1.25%は現時点で大きく間違えていない水準で、利上げ停止まで残り1.25%と今のところは考えて良いのかもしれません。


サマーズ元財務長官も一旦様子を見ることを提案

次にFRBは利上げ停止した後に様子を見る、ということを考えます。これはニュースなどでちらほらみる表現ですが、景気抑圧的と考えられる水準にまで金利を上げて、その後景気がどうなるのか様子を見る、というものです。


インフレを警告し続けてきたサマーズ元財務長官は、

(米金融当局に対し)現在のコースにとどまり、その後、状況を評価すべきだ


と言っています。このまま利上げを続けてある程度までいったら、経済状況がどうなるのか見るための評価期間を設けるべき、ということでしょう。これはFRBの総裁や理事からも同じような趣旨の発言があります。


利上げを一旦停止して様子見をする。もし様子見の期間でインフレが続くようならば、さらに利上げをして、もしインフレが収まるようならば利下げ、もしくは金利をそのまま据え置くかの判断をする。こういう目的でしょうか。


やはり評価する期間を設けないと、無闇矢鱈に利上げをすることになりかねません。利上げをやりすぎて経済をぶっ壊す可能性もあります。よく言われるハードランディングというやつですね。そうならないためにも数値の把握が必要です。


FRB金利をもう少し上げた後、利上げの効果を評価するため一旦利上げを停止する

ここまでいろいろと書きましたが、まとめると

  1. FRBはもう少し利上げをする。もう少しとはおそらく1.25%程度。
  2. FRBは1.25%程度利上げをしたあとに、利上げの効果を評価するために一旦利上げを停止する。
  3. 評価期間のデータ次第で、さらなる利上げ、金利維持、もしくは利下げと次の行動を決定する


というのはFRBの行動でしょうか。


FRBとしてはハードランディングではなくソフトランディングに持っていきたいので、経済をぶっ壊すほどの利上げは行いたくないはずです。現時点11月6日時点で景気が下降している兆候は見て取れるので、利上げで下降の勢いを押しすぎて、経済がぶっ壊れるところまでは持って行きたくないはずです。経済が悪くなる兆候があるくらいの下り坂の上の方で利上げを一旦停止すると見ています。