FRBの動きから投資を考える

FRBの行動を軸にした投資の視点と実践

【5月23〜27日・米国株1週間】

目次

概要


米国株式市場の状況を把握し、今後の投資行動を考える記事です。この記事は米国株のことをもっと知りたい、いい加減初心者を脱したい投資歴15年以上の投資家が書いています。ですので自分と同じ初心者を脱し、さらに極みを目指すハードな方に読んでもらいたい記事です。記事を読んでもらうといろいろな視点から見ることができると考えています。


まずはこの記事の結果から書きます。


これまでの事実を考察し、もう一度今後の米国株式市場について考えてみます。


現在の状況  ⇒  株高が進んでいます。弱気相場から脱しつつあるのかというふうにも見えます。


今後の予測  ⇒  今週は強くなる可能性はあります。が中長期的には安くなるときがくると思われます。


株価の上昇、下落の可能性  ⇒  株価が上昇する可能性はありますが、弱くなることを考えています。


今後の投資行動  ⇒  今週は株を売ります。今週来週で株が高くなれば、売りポジションを構築しようと考えています。中長期的にはわかりません。今年は細かなトレードに徹したほうが良いと考えています。


次にこの結論に至った理由を1つずつ書いていきます。


1.主要指数の動き:


S&P500、NYダウ、ナスダック、ラッセル2000といった、主要指数の1週間の動きです。S&P500+6,58%、NYダウ+6.25%、ナスダック+6.84%、ラッセル2000+6.46%となりました。


FOMC議事録の発表で雰囲気が変わり、大幅なプラスとなりました。FOMC議事要旨では6.7月の利上げ幅が0.50%となる一方、それ以降の利上げ幅に関しては、柔軟に対応するというスタンスが示され、それがハト派的内容と受け止められました。


株式市場の状況は強気に転じたように見えます。この上昇はしばらく続くかもしれません。今は株を持っていることが良いと思われます。


ただしこのまま上昇トレンドが続くとは考えづらいです。というのもいずれFRBは利上げをやめるかもしれませんが、この先、米国経済がどうなるか、企業業績がどうなるかは、予断を許さないからです。


FRBが利上げをやめても、インフレ問題がある限り、早々利下げはできません。そうなると金利はある程度一定です。逆に経済が悪くなることを考えると、企業業績は悪くなります。金利は一定でも企業業績が悪くなれば、株価にはマイナスです。


私は今の上昇局面で株を持ちつつも、売りどきを探していますし、売りポジションも考えておくべきだと考えています。


2.S&P500のチャート:


次にS&P500のチャートです。

Investing.comより参照


MACDは綺麗にゴールデンクロスを達成し、強い気配を感じます。ただし個人的にはまだまだ予断は許さない状況だと考えています。むしろ上がれば売り、というスタンスです。


3.主要指数の予想PER:


主要指数の予想PERです。S&P500の予想PERは17.63、ナスダック100は22.01、NYダウは17.13、ラッセル2000は19.59となっています(ウォールストリート・ジャーナルより参照)。


4.米国10年債利回り:


株価に大きな影響を与える米国10年債利回りの動きです。先週金曜日時点で、2.743%となっています。先週は2.788%でした。

Investing.comより参照


インフレ指標が上昇しなくなったことにより、金利が下落に転じています。金利の下落が株高の助けとなっています。ただし6月1日よりFRB保有資産の圧縮を始めるので、これがどう影響するのかも注視する必要があります。


はっきりいって金利がこのまま下落するというシナリオも、断定はできません。この点も株価がどうなるかわからないリスクファクターです。


5.市場が見る政策金利予想


市場の2022年9月21日時点の政策金利予想です。


一番高い予想金利は2.00〜2.25%で%となっています。次に高い予想金利は2.25〜2.50%で34.6%となっています。

cmegroupより参照


市場の2022年12月14日時点の金利予想です。


一番高い予想金利は2.50〜2.75%で58.8%となっています。前回は39.2%でした。次に高い予想金利は2.75~3.00%で32.7%となっています。前回は49.2%でした。

cmegroupより参照


FOMC議事要旨により、金利の先行き見通しに変化が生じています。総じて金利見通しが下がっています。これが株高の主な要因です。今が妥当な水準だとは思いますが、金利の見通しについては、変化が激しいので、どうなるかわかりません。


6.FRBの動き:


FRBの動きです。


FOMC、積極的利上げ実施すれば年内の政策に柔軟性-議事要旨 - Bloomberg

米国債市場は新たな混乱の可能性警戒-FRBバランスシート圧縮 - Bloomberg

FOMCタカ派の声届かず-2回の50bp利上げ、市場の織り込み後退 - Bloomberg


FOMCが先週の一大イベントでした。市場はハト派と受け止めたというか、むしろ市場の金利見通しが高すぎたということでしょう。それを修正して、ようやく妥当な水準にまで金利見通しが下がってきています。今が妥当な水準です。


しかし、これからFRBによる資産圧縮が開始されます。FRBと戦うなという格言もありますが、FRB国債などの保有資産を圧縮する中、国債価格が上昇=利回りの低下が続くというのもどうなのかなと思います。


7.経済指標:


先週1週間の重要な経済イベント、指標です。

外為どっとコムより参照


新築住宅販売件数は予想75万に対し結果59.1万。前月比は−1.7%に対し結果−16.6%です。住宅関連は酷いことになっていて、経済への悪影響につながると思われます。FOMCはすでに述べているので割愛します。


PCEデフレーターは市場予想6.2%に対し結果6.3%。コアは予想4.9%に対し結果4.9%です。市場予想とほぼ同じです。インフレの鈍化傾向は見えますが、まだまだ先はわかりません。今のところ、市場は株高で反応し安心しているようにみえますが、この先インフレが高くなる可能性は十分にあるので、まだまだ先はわかりません。


8.米国家計の債務返済比率:歴史的にはまだ低いが、じわじわと上昇傾向


米国の家計の債務返済比率です。2021年第4四半期時点で9.34となっています。コロナ前の2019年頃は9.5を超えるのが普通でしたので、今の9.34は歴史的に見てもまだ低い水準です。貯蓄率は少しづつ減っていますが、リーマンショックのように最悪な状況ではないと考えられます。ただし現在、高インフレが家計を圧迫していると見られ、少しづつ悪化、上昇しています。


なぜそうなった。今どういう状況か。


9.今後の企業EPS:企業業績は強いが、見通しはやや懸念

今後の企業業績について考えます。

FACTSETより参照
10.まとめ:今後の米国経済と株式市場とVTI


これまでの事実を考察し、もう一度今後の米国株式市場について考えてみます。


現在の状況  ⇒  株高が進んでいます。弱気相場から脱しつつあるのかというふうにも見えます。


今後の予測  ⇒  今週は強くなる可能性はあります。が中長期的には安くなるときがくると思われます。


株価の上昇、下落の可能性  ⇒  株価が上昇する可能性はありますが、弱くなることを考えています。


今後の投資行動  ⇒  今週は株を売ります。今週来週で株が高くなれば、売りポジションを構築しようと考えています。中長期的にはわかりません。今年は細かなトレードに徹したほうが良いと考えています。