ひろ投資の大原則ブログ

株と国債の長期分散投資、守りも重視します。

【4月25〜29日米国株まとめ】株式市場の現状とこれから、行動。

目次

概要


米国株式市場の状況を把握し、今後の投資行動を考える記事です。この記事は米国株のことをもっと知りたい、いい加減初心者を脱したい投資歴15年以上の投資家が書いています。ですので自分と同じ初心者を脱し、さらに極みを目指すハードな方に読んでもらいたい記事です。記事を読んでもらうといろいろな視点から見ることができると考えています。


まずはこの記事の結果から書きます。


現在の状況  ⇒  弱いです。


今後の予測  ⇒  今週は反発期待はありますが、下目線でみたほうが良いと思います。中長期でも下目線でいます。理由は明白で、FRBの利上げが進んでいること、利上げが経済を鈍化させるの2点です。インフレが収まれば利上げペースも収まりますが、注目のインフレは高いままです。ですから見るべきものはインフレ指標ということになります。


インフレ指標が強ければ株は弱い、インフレ指標が弱ければ株に希望が持てる(強気ではない)ということでしょうか。


株価の上昇、下落の可能性  ⇒  反発はあるでしょうが、基本は下落をみています。


今後の投資行動  ⇒  今週ですが、とりあえず買いはないです。売りから入りたいところですが、ナスダックはすでに大きく下げていて、下がる余地がどれだけあるかわからないので難しいところです。売るとすれば小型株(ラッセル2000)。金利上昇でやられるのは小型株とハイテクですが、今最もやられている小型株をこのまま売るのが良いのかなと考えています。


時間軸を中長期にしても、今は買えないなと考えています。中長期では売りもやめておこうと思います。状況が変わる可能性があるので、長い時間軸での売りはやめておきたいと思います。


まとめると、株は買わない。売るとすれば短期で小型株の売り。ただし急な状況変化はありえるので、金額は少なめで。株価が下がりきって本格的に買いで参入できるまで、丁寧で細かなトレードに徹したほうがよいと考えています。


一番いいのは、今はドル高が進んでいるので、株を買わずにドルで資金を持っているのが良いのかなと考えています。


次にこの結論に至った理由を1つずつ書いていきます。


1.VTIと主要指数の動き:大幅下落


S&P500、NYダウ、ナスダック、ラッセル2000といった、主要指数の1週間の動きです。S&P500−3.27%、NYダウ-2.47%、ナスダック-3.93%、ラッセル2000-4.07%となりました。

Investing.comより参照


弱くなった理由ですが、基本的にはFRBの利上げやリセッション懸念があるからだと思います。それに加えてアップルやアマゾン、アルファベットなど、時価総額の大きな企業の決算が冴えなかったことが理由だと思われます。


現在S&P500が前回の安値付近まで下げるなど、株式市場の動きは弱いです。2021年までのように下がれば上がると考えるのは、間違いです。


2.S&P500のチャート:大幅反発は期待薄


次にS&P500のチャートです。

Investing.comより参照


前回の安値付近まで下げています。下げているからと言って大幅反発を期待するのは、難しいところです。S&P500がここから反発できるかといえば、状況を考えると、非常に怪しいところです。今、大きなポジションを取るのは怪我の元です。


3.主要指数の予想PER:まだ下げてもおかしくない


主要指数の予想PERです。S&P500の予想PERは18.62、ナスダック100は23.22、NYダウは17.50、ラッセル2000は21.25となっています(ウォールストリート・ジャーナルより参照)。


S&P500は18.62ですが、16倍程度まで下げてもおかしくはないです。16倍以下になって割安と言える水準になります。


4.米国10年債利回り:上昇傾向


株価に大きな影響を与える米国10年債利回りの動きです。先週金曜日時点で、2.938%となっています。先週は2.905%でした。


10年債利回りは上昇しています。今週は2.7%台まで下落しましたが、インフレ指標が高かったことから、金利は再び上昇しています。やはり基本的には金利は高い傾向が続いています。チャートから見ると、とりあえずの上限は3%だと思います。


5.市場が見る政策金利予想:さらに上方にシフト


市場の2022年6月15日時点の政策金利予想です。

Investing.comより参照


一番高い予想金利は1.50〜1.75%で88.8%となっています。前回は69.8%でした。次に高い予想金利は1.25〜1.50%で11.0%となっています。前回は29.9%でした。


市場の2022年12月14日時点の金利予想です。


一番高い予想金利は2.75〜3.00%で50.6%となっています。前回は45.0%でした。次に高い予想金利は3.00~3.25%で33.6%となっています。

Investing.comより参照


政策金利の見通しは上方シフトしています。市場は5月0.5%利上げ、6月は0.75%利上げを予想しています。12月には3%前後ですから、FRBの利上げペースは最近では例のない展開となりそうです。それだけFRBが後手に回った、インフレ率が高い、ということになっているということでしょうか。


6.FRBの動き:FOMC前のため動きなし


FRBの動きです。今週はFOMC前なのでFRB幹部からの発言はありませんでした。


7.経済指標:インフレは高いまま、住宅は減速


先週1週間の重要な経済イベント、指標です。

Investing.comより参照


まずは新築住宅販売件数。これは酷い悪化です。やはり住宅ローンの上昇が住宅市場を急激に冷やしていることがわかります。この指標だけでも経済に逆風が吹いていることわかります。


次にインフレ指標ですが、高止まりの状態です。雇用コストは市場予想を上回り、賃金インフレは収まっていないか、もしくはさらに上昇していることが考えられます。


8.米国家計の債務返済比率:歴史的にはまだ低いが、じわじわと上昇傾向


米国の家計の債務返済比率です。2021年第4四半期時点で9.34となっています。コロナ前の2019年頃は9.5を超えるのが普通でしたので、今の9.34は歴史的に見てもまだ低い水準です。貯蓄率は少しづつ減っていますが、リーマンショックのように最悪な状況ではないと考えられます。ただし現在、高インフレが家計を圧迫していると見られ、少しづつ悪化、上昇しています。


9.今後の企業EPS:企業業績は強いが、見通しはやや懸念

今後の企業業績について考えます。

FACTSETより参照


現在の決算シーズンは、大企業がおおかた出揃ったようです。決算は良かったですが、ガイダンスに懸念のある企業がちらほら見られました。特に時価総額の大きな、アップルやアマゾン、グーグルには懸念がみられました。特に時価総額1位のアップルは、単独で株式市場を動かすほど巨大な企業です。今後、アップルの決算が悪ければ、株式市場は奮わないものとなるかもしれません。


10.まとめ:今後の米国経済と株式市場、そしてVTI


これまでの事実を考察し、もう一度今後の米国株式市場とVTIについて考えてみます。


現在の状況  ⇒  弱いです。


今後の予測  ⇒  今週は反発期待はありますが、下目線でみたほうが良いと思います。中長期でも下目線でいます。理由は明白で、FRBの利上げが進んでいること、利上げが経済を鈍化させるの2点です。インフレが収まれば利上げペースも収まりますが、注目のインフレは高いままです。ですから見るべきものはインフレ指標ということになります。


インフレ指標が強ければ株は弱い、インフレ指標が弱ければ株に希望が持てる(強気ではない)ということでしょうか。


株価の上昇、下落の可能性  ⇒  反発はあるでしょうが、基本は下落をみています。


今後の投資行動  ⇒  今週ですが、とりあえず買いはないです。売りから入りたいところですが、下がる余地がどれだけあるかわからないので、難しいところ。売るとすれば小型株でしょう。中長期でも今は買えないなと考えています。少額で小型株指数を売るのが良いのかなと考えています。状況が変われば損切りすれば良いです。


まとめると、株への本格参入はしない、ドル高が進んでいるので、株を買わずにドルで資金を持っているのが良いのかなと考えています。