CPI前月比−0.4%、コアCPI前年比−0.1%
4月11日に米労働省労働統計局から消費者物価指数が発表されました。
CPI前月比は−0.4%、CPI前年同月比は+1.5%、コアCPI前月比は−0.1%、コアCPI前年同月比は+2.1%となりました。
全般的に物価に急ブレーキがかかっている状況ですが、特にエネルギー価格の下落が著しいです。原油市場はサウジとロシアの対立により下落した側面もありますが、主な原因は需要の減退です。サウジとロシアが協調減産に同意したにも関わらず、原油価格は上昇しません。
食料とエネルギーを除いたコアCPIも下落しています。コアCPIがマイナスに陥るのは2010年1月以来です。ここ10年なかったほどの相当な下落圧力が現実世界で起きているのでしょう。
この数値をどう考える?
インフレ率の緩やかな上昇は経済発展のために重要です。3月はマイナス圏に転じました。これだけ経済が麻痺するとモノサービスの動きが鈍くなるので、下落圧力が生じます。ただFRBが無制限の量的緩和を行っていることは、経済に対してかなり後押しするものと思います。結局、鍵を握るのは経済封鎖が解かれたあとなのですが、それがいつになるのかわからない。コロナの状況次第です。長引けばCPIは悪化の一途を辿ると思います。
それでもFRBの量的緩和は非常に強力な手段なので、経済封鎖が終われば経済状況を好転させる力を持っていると思います。そこに希望は感じます。ですから現時点でのCPIの数値を見ながら、将来のCPIがどうなるのかということも同時に考えていかないといけません。