この記事は1週間のFRBの動向を追う記事です。主にFRB議長や総裁、理事の発言を追っています。
相場格言「Don`t Fight The FED.」という言葉があります。FRB(FED)と逆方向に行く株式取引は儲からない道を選んでいることになります。ですからFRBがどの方向を見ているかを確認することは、株式取引をする上でとても大切なことだと考えています。
FRB議長、総裁、理事の発言
まずFRB議長や総裁、理事の発言を見ていきます。記事はすべてブルームバーグからです。
1.ウォラーFRB理事、0.5ポイント利上げへの「違和感弱まる」 - Bloomberg
2.利上げ道のり長い、12月かその後50bp検討も-FRBウォラー氏 - Bloomberg
3.セントルイス連銀総裁、「最低」でも5-5.25%への利上げ必要に - Bloomberg
4.ボストン連銀総裁、12月の利上げ幅まだ判断せず-75bpも選択肢 - Bloomberg
5.ミネアポリス連銀総裁、一連の利上げの終着点にはまだ至っていない - Bloomberg
6.SF連銀総裁、政策金利のピークは4.75-5.25%が「妥当」な範囲 - Bloomberg
7.フィラデルフィア連銀総裁、今後数カ月での利上げペース減速を予想 - Bloomberg
8.アトランタ連銀総裁、インフレ鈍化の「かすかな希望の光」を指摘 - Bloomberg
利上げ継続は確実。0.5%か0.75%かは微妙。
先週は発言が多かったです。この中で共通するのは、
「利上げの減速はありえるが、利上げの停止はない」「インフレを抑えるためにまだ利上げを継続する」ということでしょうか。ですから現在の政策金利3.75〜4.00%から上昇することは確実です。
12月利上げが0.5か0.75かは微妙な判断です。データ次第という人もいますし、パウエル議長に任せるという人もいます。以前パウエル議長は「ペースは大した問題ではない」といっています。実は12月の利上げ幅はそこまで争点にならないかもしれません。
大事なことは、「どこで止まるのか」「いつまで続けるのか」でしょうか。おそらくデータ次第というのが答えですが、FRB高官の中にはある程度道筋が見えている方がいるように思えます。
SF連銀のデーリー総裁は「4.75〜5.25%が妥当」と述べています。一方でセントルイス連銀のブラード総裁は「5〜5.25%が最低水準」と述べています。他の方はまだ具体的に発言していませんが、この2人の発言はある程度ヒントになります。
まず5%までには行くのかなと想像できます。現在の政策金利は3.75〜4.00%なので5%まで1.25%あります。「12月0.75%、1月0.5%」か「12月0.5%、1月0.5%、3月0.25%」というパターンでしょうか。
道筋がうっすら見えてきた
個人的に感じるのは、道筋がはっきりしてきたということです。2022年の前半から10月くらいまではは政策金利がどこまでいくのか、インフレはどうなるのかと疑心暗鬼の相場でした。しかし今はインフレの鈍化も見え始め、政策金利も5%程度で収まるかもしれないという、道筋が見えてきた。
FRBは政策金利をまだ上げるでしょうが、5%前後とうっすら答えが見え始めてきたのは事実でしょう。まあそれまでには株価の上下がまだあるかもしれません。
今回のまとめ
先週はFRB高官の発言が多かったです。ほとんどは「利上げはまだ継続する」というもの。しかし政策金利をどこまで上げるかという具体的コメントも出てきています。それをまとめると5%程度が一つの目安となります。
また12月の0.5%か0.75%という利上げ幅については断言できません。
今の問題はどこで止まるのか、いつまで続けるのか、ということに焦点が移ってきています。
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