ひろ投資の大原則ブログ

株と国債の長期分散投資、守りも重視します。

米国企業の決算が悪いのはむしろ良いニュースだ

1.グーグル決算が悪かった

グーグルとマイクロソフトの株価が時間外で急落しています。

米ハイテク・半導体株、時間外で軒並み安-大手決算が期待外れ - Bloomberg

グーグルは決算ミス、マイクロソフトは2018年以来の低い増収率で株価は急落しています。グーグルはYou Tubeの広告収入現象、マイクロソフトはウィンドウズ11が思った以上に売れなかったとのことです。

決算が良くなかった理由は様々ありますが、主因はインフレとFBR利上げによるマクロ経済の悪化でしょう。全体の経済状況が悪いので、グーグルとマイクロソフトもそれから逃れられなかった、ということだと思います。



2.経済の悪化はFRBの利上げ鈍化を招き「良いニュース」となる

グーグル、マイクロソフトの決算ニュースの他にも、経済が悪化していることを示す指標はたくさん出てきています。

ただしそれらは経済の悪化を示すニュースであり、株価にとって悪いニュースというわけではありません。FRBにとって経済の悪化は利上げをやめさせる動機になりえます。そしてFRBによる利上げの停止や鈍化は株価にとって良いニュースです。

そもそもFRBによる利上げの目的はインフレを抑えることです。そのインフレは経済が停滞することにより抑えられます。経済が悪くてモノが売れなくなると、販売者は売れないのでモノの値段を上げることができないからです。

なので経済の悪化を示すニュースはFRBの利上げを停止・鈍化するということであり、利上げの停止・鈍化はすなわち株高に繋がります。ですから経済の悪化のニュースは株高につながる可能性があるのです。


3.今、歓迎すべき経済ニュースは

こう考えると、今、株価にとって良いニュースとは何でしょうか。

1番いいのは「インフレ指標の低下」です。これは次に11月10日(木曜日)に発表されます。市場予想以上に低下すれば株高でしょう。

2番に「失業率の上昇」。失業した人には申し訳ないですが、株にとっては良いニュースです(そうはいっても米国は求人件数は多いです)。FRBは失業と物価の安定が目的なので、失業率が高くなると金利を低くして経済を活発化させようとします。

ただし失業率の上昇が株高につながるためには、インフレ指標が低下しているという前提が必要かなと思います。インフレが低下しないまま金利を下げると、インフレがさらに高まる恐れがあるからです。インフレ低下と失業率の上昇は株にとって最高の組み合わせです。

3番はほとんど同じで、ISM製造業景気指数・非製造業景況指数、住宅指数、企業決算の「悪化」のニュースです。要は経済が悪くなっているというニュースです。これらが発表されると、株式市場はFRBの利上げ停止や鈍化を織り込み、株高に繋がると予想されます。