米国株×日本株

米国株はインデックス、日本株は配当金投資

雇用統計はインフレ鈍化の兆しとは言えない。現状での楽観的姿勢はお金を失う。

雇用統計が発表されました。市場では労働参加率の上昇により、労働不足からくる供給不足が解消され、供給が増えることによりインフレ懸念が若干和らぐとの考えが浮上しています。しかし私はこの見方は楽観的だと感じます。


理由は労働参加率の上昇は、総需要を押し上げるとの見方もできるからです。もちろん供給も増えます。しかし労働者が全体的に増えることは、全体の需要も押し上げるということです。供給だけ増えるのであれば、インフレ懸念の解消も納得できますがそうではありません。ですから、今回の雇用統計だけでインフレ懸念が和らいだとみるのは非常に危険な見方です。


前回の株高もそうでしたが、FRBの姿勢がはっきりと引き締めに向かっている今、株式に対して楽観的でいるのはお金を失う原因となります。


☆今回の記事で言いたいこと☆

今回の雇用統計はインフレが和らぐ可能性があるとの楽観的な見方があるが、決してそうとは言えない。楽観的にみると、前回の株価上昇のように、あとで手痛いダメージを受ける可能性がある。今回の雇用統計は楽観的にしろ、悲観的にしろ、どうちらにしてもFRBが金融引締めをやめるものとはならない。2022年9月のFRBが金融引締めに向かっている中、株式を楽観的にみることはお金を失うことにつながる。


今回の雇用統計は雇用状況が強いとも捉えられる

米国のインフレに対し、強く警鐘を鳴らしてきたサマーズ氏が、雇用統計を受けてブルームバーグにコメントしています。


サマーズ氏、労働参加率上昇受けた楽観論に否定的見解-雇用統計受け - Bloomberg


今回の楽観論に対し、否定的な見方です。

雇用者数の増加は所得増につながって支出を増やし、やがて労働力需要を押し上げる点を「見落としている」と指摘した


楽観論は供給サイドだけをみて楽観的になっているのに対し、サマーズ氏は需要サイドもみて判断しています。これは当然の姿勢と見方です。労働者が増えることは、新たな需要を生み出すのと同義です。そして新たな需要が新たな労働者を生み出すことは、当然考えられる論理です。


今回の雇用統計は供給が増えたとも捉えることができますが、新たな需要が増えるとも捉えることができます。供給が増えることはFRBが目指していること、しかし需要が増えることはFRBが目指していることと反対のことなのです。ですから今回の雇用統計の結果は、FRBの今後の行動を予測する上で、良いと悪いどちらの意味にも捉えることができます。


楽観的姿勢はお金を失う原因

FRBが金融引締めを明らかにしている今、楽観的姿勢はお金を失う原因となります。雇用統計後、株価は下落しました。株式市場の判断は正しいと思います。しかし8月前半の株高局面は株式市場は完全に間違っていました。


ジャクソンホールでのパウエル議長の発言は、タカ派トーンになると予想される - スタークジェガンの投資ブログ


ジャクソンホール前の8月24日、当ブログは記事でパウエル議長はタカ派姿勢になると言っています。FRB幹部たち全メンバーが、ジャクソンホール前からタカ派コメントをしていたからです。おそらくそう考えていたのは私以外にも大勢いたと思います。はっきりと、しかも強い口調でFRB当局者たちが言っていたからです。


しかし当時の株式市場には楽観が広がっていました。ジャクソンホール後の株価の経緯は知っての通りで、楽観的に見ていた投資家は大きなマイナスを被っています。


また当ブログではこれもジャクソンホール前の8月25日の記事で、


シンプルに考えると株価は下落する - スタークジェガンの投資ブログ

行動経済学では、人間は自分に都合の良いことしか信じない傾向にあるといわれています。特に投資という損得の場において、その傾向は著しいです。「いや、今回だけは違う」「以前とは状況が違い、FRBは株式市場のことを考えているはずだ」「株価は上がっている」。最近、株価が急反発したのは、投資家が自分の信じたい情報だけを見ていた証ではないでしょうか。


と書いています。FRB幹部たちがあれほど言っていたのにそれを信じず、インフレは鈍化傾向にありFRBは金融引締めをやめると間違った認識のもと、株高は進みました。そして楽観的にみていた投資家にとって、結果は最悪なものとなりました。


現在FRBが金融引締めをしている中で、株式に対し楽観的に見るのは間違っています。お金を失う原因となります。楽観的に見て良いのは、FRBが金融緩和をしている時期です。今は、明らかに金融引締めの時期です。