ひろ投資の大原則ブログ

株と国債の長期分散投資、守りも重視します。

『1週間まとめ(8月1〜5日)』株価下落、再発の兆し

目次

主要指数の1週間

Investing.comより参照

米国株はまちまち。ナスダック、ラッセルは上昇しましたが、SP500とNYダウは下落。バリュー系が売られ、ハイテク系が買われた週になりました。最近の金利下落を背景とした動きです。しかし金曜日の雇用統計の発表後、金利が急上昇し、ナスダックは売られました。


その他原油は大幅安。利上げと景気鈍化により、需要が落ち込むという観測。これである程度、インフレ懸念は緩和されますが、今は賃金インフレが懸念される展開となりそうです。


金は小幅高。木曜日までは上げていましたが、金曜日に金利高/ドル高となったことで、金への下落圧力がかかりました。


米国債は金曜日に安くなりました。言い換えると金利急上昇です。雇用統計が予想より良かったこと、賃金の伸びが加速したことにより、FRBの利上げが長引く可能性が浮上しています。すでにFRB幹部はそのことを伝えていましたが、市場は雇用統計でようやく確認した結果です。

経済指標

外為どっとコムより

雇用統計は予想を上回る強さでした。非常に強く、失業率も下落、賃金も予想以上に上昇しています。これからわかるのは、従来インフレの要因はエネルギー高と言われていましたが、今は賃金の上昇からくるインフレも主要な要因になっているということです。


物価上昇→賃金上昇→需要増→物価上昇というスパイラルが発生しています。米国経済は明らかに鈍化していますが、賃金が上昇している限り、需要の減少はなかなか収まらないと思います。ある程度の経済減速は必要で、いまだFRBが望むほどの需要減少は起こっていないと思われます。

FRB幹部の発言

米国債利回りは急上昇、地区連銀総裁の発言で方針転換の観測後退 - Bloomberg

FRBはインフレとの闘いにコミット-複数の連銀総裁が表明 - Bloomberg


総じてインフレ抑制に向けて話しています。これらの話は雇用統計前の話でしたが、市場はこれらを無視する形で上昇してきました。しかしようやく雇用統計でFRBの利上げ姿勢に気がついた可能性があります。


ハト派の幹部も利上げ時期の終わりはまだだ、ということを言っています。市場はそれを株式市場が上昇しないためのFED幹部のフェイクと思っているかもしれませんが、雇用統計の賃金上昇率を見る限り、FRBは利上げをある程度の期間高いままで据え置くかもしれません。まだまだ賃金上昇の勢いは収まりそうにありません。

CME政策金利見通し

9月FOMC

Investing.comより参照

11月FOMC

Investing.comより参照

12月FOMC

Investing.comより参照

市場の政策金利の見通しです。12月に3.50〜3.75%を予想しています。高いと思いますが、現時点では妥当な水準です。株式市場はあまり楽観的にならずにいてほしいものです。そちらのほうが痛みが早く終わります。

アメリカ10年債利回り

Investing.comより参照

利回りは急上昇。MACDも上昇傾向に入った可能性があります。また3%台に突入してもおかしくはないです。

S&P500

Investing.comより参照

下落トレンドに入るか。MACD、RSIなどは明らかに買われすぎ水準に達しています。ここからしばらくは株価が下落する可能性はあります。

Nasdaq

Investing.comより参照


ナスダックははSP500より、さらに買われすぎ水準に入っています。

原油WTI

Investing.comより参照

原油はかなり売られてきました。ここからさらに売られるか疑問ですが、原油は政治的要因が絡むし、下がるときは一気に下がるので、手を出すのはやめとこうと考えています。

Investing.comより参照

金の上昇は終わった可能性があります。ドル高になる可能性があり、金を買うことには躊躇します。

企業業績見通し

FactSetによると、企業決算は予想を上回る企業が多いようです。決算は堅調です。問題は見通しですが、悪くはないようです。

まとめ

先週は株価はまちまちでしたが、現在テクニカル指標は買われ過ぎを示しています。また株式市場ではFRBによる利上げ観測後退を背景にリスク資産が買われていましたが、雇用統計によりその雰囲気は一変した可能性があります。


現在、FRBによる利上げ継続は長引く想定が浮上しています。これが株価の下落要因となるかもしれません。