ひろ投資の大原則ブログ

株と国債の長期分散投資、守りも重視します。

【5月9〜13日・米国株1週間】弱い相場の中、いったんの反発を期待。

目次

概要


米国株式市場の状況を把握し、今後の投資行動を考える記事です。この記事は米国株のことをもっと知りたい、いい加減初心者を脱したい投資歴15年以上の投資家が書いています。ですので自分と同じ初心者を脱し、さらに極みを目指すハードな方に読んでもらいたい記事です。記事を読んでもらうといろいろな視点から見ることができると考えています。


まずはこの記事の結果から書きます。


現在の状況  ⇒  基本的には弱気相場は継続していると考えています。ただし先週の金曜日に反発したように、株価の戻しがあると考えています。いったん反発して、まだ売られて戻ると考えています。


今後の予測  ⇒  今週は株価が上昇すると考えています。今までの弱気相場は、0.75%利上げを織り込んだ相場でした。それが0.50%利上げを織り込んだ今、もう少し株価は戻しても良いと考えています。中長期では今より下にいく可能性もあれば、上に行く可能性もあると見ています。


株価の上昇、下落の可能性  ⇒  今週に関しては上昇を予測。下落の可能性もありますが、いったんは反発かなと。完全に市場のリスクがなくなったわけではないので、リスクを織り込んで下落する可能性もなきにしもあらずです。


ただ何度も書きますが、まずは0.75%⇒0.50%織り込みを株価に反映させる動き=しばらくは株価上昇が続くと考えています。


今後の投資行動  ⇒  今週は株高を予想しています。ですので株を持つべきですが、現在株保有率は8割まで回復させました。今週はこのまま保有を続けます。中長期では株価の動向はわかりません。もし株価が下がっても、随分株価が下がったので、リスクリワードを考えると、株を売らないでもよいかもしれません。


次にこの結論に至った理由を1つずつ書いていきます。


1.VTIと主要指数の動き:マイナスの結果も金曜日に大幅反発


VTI、S&P500、NYダウ、ナスダック、ラッセル2000といった、主要指数の1週間の動きです。VTI-2.45%、S&P500-2.41%、NYダウ-2.14%、ナスダック-2.80%、ラッセル2000-2.55%となりました。

Investing.comより参照


先週1週間は大幅なマイナスで終わりましたが、金曜日だけを見ると大幅なプラスでした。金曜日に市場のセンチメントが変わった可能性があります。先週は注目の消費者物価指数の発表があり、非常にボラティリティの高い1週間でした。


金曜日に大幅なプラスで終わったので、短期的かもしれませんが株価の反発に希望が見えました。


2.S&P500のチャート:テクニカル的には手がかりなし


次にS&P500のチャートです。

Investing.comより参照


一見すると、短期的にかなり売られすぎているなと感じます。ボリンジャーバンドをみると、下限の線にタッチしていたので反発はいつかあると感じていました。MACDは下方向に続いており、金曜日に反発したことで若干上向きましたが、クロスしているところまではいっていません。


後述しますが、パウエル議長の「2会合連続0.50%発言」と「消費者物価指数の上昇に歯止め」で市場に若干の落ち着きが見られるのかなと考えています。ですので売られすぎた株価が少し買い戻されているのかもしれません。


3.主要指数の予想PER:割高は完全に解消


主要指数の予想PERです。S&P500の予想PERは17.45、ナスダック100は22.12、NYダウは16.93、ラッセル2000は19.65となっています(ウォールストリート・ジャーナルより参照)。


PERはかなり調整してきました。極端な割安とはいえませんが、平均的なPERに戻っています。ただし急激にPER20倍に戻ることはないと思われますので、19倍程度に戻れば売りを検討したいです。


4.米国10年債利回り:3%割れ


株価に大きな影響を与える米国10年債利回りの動きです。先週金曜日時点で、2.928%となっています。先週は3.142%でした。


消費者物価指数の発表とパウエル議長の0.50%発言で10年債利回りは低下しています。下げた理由は10年債利回りが急激に上昇していたということもあるのでしょうが、他には


①パウエル議長の0.50%発言により、0.75%を織り込んでいた10年債利回りが、0.50%を織り込むことにより下落した


消費者物価指数の前年同月比が先月より落ちたことで、物価の上昇の低下が意識され、0.75%利上げの信憑性が薄れた


ということがあると思います。要は市場は0.75%利上げをないと予想し、0.50%利上げを織り込んだので利回りが低下したということだと思います。株価が急激にあげたのも、10年債利回りが急激に低下したことと関係があると思われます。


5.市場が見る政策金利予想


市場の2022年6月15日時点の政策金利予想です。


一番高い予想金利は1.25〜1.50%で92.5%となっています。前回は17.1%でした。次に高い予想金利は1.50〜1.75%で7.5%となっています。前回は82.9%でした。

cmegroupより参照


市場の2022年12月14日時点の金利予想です。


一番高い予想金利は2.50〜2.75%で52.4%となっています。次に高い予想金利は2.75~3.00%で35.7%となっています。前回は39.1%でした。

cmegroupより参照


市場は政策金利を先週より下方に織り込んでいます。先週は6月に0.75%の利上げを織り込んでいましたが、今では0.50%を織り込んでいます。12月に関してはもっと低くなり、0.5%もの政策金利の予想引き上げとなっています。


パウエル議長がいっているように、6月は0.50%利上げがほぼ確定でしょうが、それ以降に関しては、これから発表される消費者物価指数を見ての判断になるでしょうから、10年債利回り、株価、為替にまだまだ波乱はあると思われます。


6.FRBの動き:0.50%利上げが基本シナリオ


FRBの動きです。


パウエル議長、今後2会合で0.5ポイント利上げ適切となる公算大 - Bloomberg

FRB当局者が50bp利上げ相次ぎ支持、メスター総裁は75bpに含み - Bloomberg

アトランタ連銀総裁、「さらなる行動」を支持-インフレ高止まりなら - Bloomberg

FRB当局者、当面0.5ポイントの路線堅持か-予想上回るCPIでも - Bloomberg


先週はFRB幹部による発言が多かったです。基本はパウエル議長のいっている通り0.50%の利上げが基本シナリオだと思いますが、予想以上のインフレ高進ならば0.75%利上げもありえるという幹部もいます。


0.75%の利上げを織り込むようだと、株価はまた下落すると思います。0.75%利上げはインフレ次第なので、今月同様、来月の消費者物価指数の発表にも注意が必要です。


7.経済指標:CPIは高いまま


先週1週間の重要な経済イベント、指標です。

YahooFinanceより参照


注目の消費者物価指数の発表がありました。先月よりかは低い結果でしたが、市場予想は上回りました。上昇に歯止めがかかったのか、それとも少しの数値の加減なのか、よくわからない結果だと思います。先月より高い数値にならなかったことで、FRBの0.50%利上げが正当化されたと思います。


問題は高いインフレ率が続く可能性があり、FRBは利上げをやり続けなければならないことです。今回は株価が上昇しましたが、今後の消費者物価指数の発表で市場予想を上回る結果が発表されれば、また大幅利上げ論が市場に悪影響を与えることも考えられます。


8.米国家計の債務返済比率:歴史的にはまだ低いが、じわじわと上昇傾向


米国の家計の債務返済比率です。2021年第4四半期時点で9.34となっています。コロナ前の2019年頃は9.5を超えるのが普通でしたので、今の9.34は歴史的に見てもまだ低い水準です。貯蓄率は少しづつ減っていますが、リーマンショックのように最悪な状況ではないと考えられます。ただし現在、高インフレが家計を圧迫していると見られ、少しづつ悪化、上昇しています。


9.今後の企業EPS:企業業績は強いが、見通しはやや懸念


今後の企業業績について考えます。

FACTSETより参照


企業業績は好調です。雇用と企業業績、小売売上高は米国経済のなかでよいです。基本的に企業業績が良いので、株価がFRBの利上げにより調整した今、これからも下がり続けるのもどうかと思います。今の相場は業績を織り込むというか、FRBの利上げを織り込む相場となっています。


企業業績自体はよいです。


10.まとめ:今後の米国経済と株式市場とVTI


これまでの事実を考察し、もう一度今後の米国株式市場について考えてみます。


現在の状況  ⇒  基本的には弱気相場は継続していると考えています。ただし先週の金曜日に反発したように、株価の戻しがあると考えています。いったん反発、そしてまた売られると考えています。


今後の予測  ⇒  今週は株価が上昇すると考えています。今までの弱気相場は、0.75%利上げを織り込んだ相場でした。それが0.50%利上げを織り込んだ今、もう少し株価は戻しても良いと考えています。中長期では今より下にいく可能性もあれば、上に行く可能性もあると見ています。


株価の上昇、下落の可能性  ⇒  今週に関しては上昇を予測。下落の可能性もありますが、いったんは反発かなと。完全に市場のリスクがなくなったわけではないので、リスクを織り込んで下落する可能性もなきにしもあらずです。


ただ何度も書きますが、まずは0.75%⇒0.50%織り込みを株価に反映させる動き=しばらくは株価上昇が続くと考えています。


今後の投資行動  ⇒  今週は株高を予想しています。ですので株を持つべきですが、現在株保有率は8割まで回復させました。今週はこのまま保有を続けます。中長期では株価の動向はわかりません。もし株価が下がっても、随分株価が下がったので、リスクリワードを考えると、株を売らないでもよいかもしれません。