ひろ投資の大原則ブログ

株と国債の長期分散投資、守りも重視します。

【3月21〜25日米国株まとめ】株式市場の現状とこれから、行動。

目次

概要


米国株式市場の状況を把握し、今後の投資行動を考える記事です。この記事は米国株のことをもっと知りたい、いい加減初心者を脱したい投資歴15年以上の投資家が書いています。ですので自分と同じ初心者を脱し、さらに極みを目指すハードな方に読んでもらいたい記事です。記事を読んでもらうといろいろな視点から見ることができると考えています。


まずはこの記事の結果から書きます。


現在の状況  ⇒  米国株は強いです。弱気相場から脱したと言えるのかもしれません。


今後の予測  ⇒  今週は調整を挟む可能性はありますが、このまま一気に2022年年初高値まで行く可能性もあります。当然下に行く可能性もあるのですが、現状は弱い方向で考えるより強いか横ばいで見るほうが妥当と思われます。


ただし中長期ではまだわからない状況です。というのも高インフレ、FRBの利上げが米国経済に悪影響を当たる可能性があり、それが企業収益にマイナスをもたらすかもしれないからです。もし企業収益が弱いものとなるのなら、株価には逆風が吹くと思います。FRBはインフレ退治のため金利を引き上げざるをえないので、金融緩和も期待できません。


株価の上昇、下落の可能性  ⇒  私は横ばい、上昇を見ています。リスクオンの可能性が高いと考えています。しかし慎重に見る視点も必要です。


今後の投資行動  ⇒  今週はSPXLを一部売ろうかと考えています。株価は強いと見ています。ですので今のうちに高リスクのSPXLを一部売ろうと考えています。ただし株価が下落すれば押し目と見てSPXLを買い増します。基本は上目線で、VTIやUNH、MSFTは売らずに長期保有。SPXLは高リスクなので時宜をみて売買します。


次にこの結論に至った理由を1つずつ書いていきます。


1.VTIと主要指数の動き:S&P500は週間で+1.79%


VTIとS&P500、NYダウ、ナスダック、ラッセル2000といった、主要指数の1週間の動きです。VTI+1,29%、S&P500+1.79%、NYダウ+0.32%、ナスダック+1.98%、ラッセル2000-0.58%となりました。

Investing.comより参照


先週は強い動きが続きました。特に強気になる材料はありませんでしたが、売られすぎからの回復、ショートポジションの巻き戻し、ウクライナが首都キエフからロシア軍を撤退させつつあること、など各種要因が重なったのかもしれません。


理由はともあれ、現時点で株価が強い動きになっていることは確かです。これがどこまで続くのかが問題です。長く続くようであれば株はホールドですが、下値を割り込むような動きにはもうならないかもしれませんので、とりあえずホールドで良いのかもしれません。強いうちは持っているのが正解だと考えています。

理由は分からないが、とにかく強い動き。この動きに乗らない手はない。

2.S&P500のチャート:50・200日移動平均線を上回る


次にS&P500のチャートです。

Investing.comより参照


チャートのテクニカル的ポイント。S&P500は50日・200日移動平均線を超えています。強気相場に戻ったサインは出ています。この勢いなら高値を取り戻してもおかしくはないですが、慎重にみるならどこかで調整は起こるかもしれません。


とまるとすれば、4600あたり。前回の高値がそこにひかえています。ただ勢いがあるので一気に年初の高値4800あたりを回復してもおかしくはないです。調整かこのまま一気にいくのか。判断はむずかしいですが、前回の安値4100〜4200に向かうのは今のところ、考えづらいです。

テクニカル的には強気のサインが出ている。調整を挟む可能性はあるが、一気に高値を更新する可能性もある。

3.主要指数の予想PER:歴史的には高い水準


主要指数の予想PERです。S&P500の予想PERは19.85、ナスダック100は25.75、NYダウは18.14、ラッセル2000は23,43となっています(ウォールストリート・ジャーナルより参照)。

S&P500は約20倍と妥当な水準に戻ってくる。歴史的には高い水準。

4.米国10年債利回り:2.488%に急上昇


株価に大きな影響を与える米国10年債利回りの動きです。先週金曜日時点で、2,488%となっています。

Investing.comより参照


10年債利回りは一気に急上昇。2.488%まで上昇しました。理由は明白でFRB幹部のタカ派発言が相次いでいるからです。特にパウエル議長の0.50%利上げを排除しない発言が大きかったです。


今はとにかく金利上昇圧力が強い展開です。一気に上昇しているので下落の方に調整はありそうなものですが、その気配を見せず。さすがにどこかで止まるだろうと思いながら金利の急上昇が続いています。このあたりはドル円とも関係いると思いますが、どうなるのか全く読めない展開です。

金利は急上昇で2.488%。展開は全く読めない。

5.市場が見る政策金利予想:見通しは上ブレしている


市場の2022年6月15日時点の政策金利予想です。


一番高い予想金利は1,25〜1.50%で66.2%となっています。前回は24.0%でした。次に高い予想金利は1.00〜1.25%で29.9%となっています。前回は59.4%でした。

cmegroupより参照


市場の2022年12月14日時点の金利予想です。


一番高い予想金利は2.25〜2.50%で41.7%となっています。前回は19.0%でした。次に高い予想金利は2.5-~2.75%で26.9%となっています。前回は2.1%でした。

cmegroupより参照


なぜそうなった。金利見通しは上方にシフト。1週間前より0.25%上にシフトしています。FRB幹部によるタカ派発言で市場もさらなる利上げ見通しを示しています。


今は先行きに金利見通しがどんどん上昇している展開です。高インフレを抑えるため、FRB金利を引き上げると予想されています。ただ金利を上げすぎると経済状況は悪化すると言われいますので、難しいところです。

金利見通しは1週間前より0.25%上方にシフト。インフレ退治のためFRBはさらなる利上げに踏み切ると予想されている。

6.FRBの動き:タカ派発言が相次ぐ


FRBの動きです。


パウエルFRB議長、必要なら5月に0.5ポイント利上げ支持の用意 - Bloomberg


次回FOMCで50bpの利上げに前向き=SF連銀総裁 | ロイター


他にもありますが、FRB幹部のタカ派発言相次いでいます。パウエル議長も0.50%発言をしたのは驚きでした。パウエル議長はどちらかというと株式市場に配慮すると思っていたので。ただしそろそろ0.50%を織り込ませることに成功したと考えたのかもしれません。


どちらにしろFRBはインフレ退治するぞというメッセージをようやく本腰を入れて発しています。ただ本音ではインフレは自然と低くなるという意見を持っているのかもしれませんが。ただ当面はインフレ退治するという姿勢を打ち出すものと思われます。

FRBはインフレ退治のためタカ派発言を繰り返す。当面、FRBはインフレ退治を優先する。

7.経済指標:住宅指標は予想を下回るが問題視されていない


先週1週間の重要な経済イベント、指標です。

YahooFinanceより参照


住宅指標の発表がありました。市場予想を下回りましたが、株式市場にはあまり影響を与えていません。ロイターニュースを見ると「市場予想は下回ったが、コロナ前の水準は上回っている」という記事を見ました。住宅ブームは終わっても依然、高い水準は維持できているという解釈でしょうか。


今は住宅ローンの金利も上昇していますし、住宅の原材料や人件費も高騰で、住宅市場には明らかにマイナスだと思われます。そのあたりを考慮しても高い水準を保っていることは、米国経済が強い証拠と捉えることもできます。

住宅指標は市場予想を下回ったが、コロナ前の水準は上回っている。
8.米国家計の債務返済比率:ここはまだ大丈夫


米国の家計の債務返済比率です。2021年第3四半期時点で9.21となっています。コロナ前の2019年頃は9.5を超えるのが普通でしたので、今の9.21は歴史的に見ても低い水準です。現在、消費意欲は旺盛で現在はもう少し上昇していると思いますが、まだまだ安全だと思います。


なぜそうなった。今どういう状況か。


まとめ(吹き出し


9.今後の企業EPS:企業業績は強い


今後の企業業績について考えます。

FACTSETより参照


個々のデータは数ヶ月前のものです。ですので今は状況が変わっている可能性があります。ウクライナ問題がどこまで企業収益に影響を与えたかです。前回の決算から今回の決算で大きく変化したのは底だと思います。例を上げればアップルのロシアでの販売を中止したと聞きましたが、アップルやウクライナでの売上がどれだけの規模かでしょう。時価総額の大きなGAFAMのロシア比率がどこまで高いのか、ロシアでの販売停止に大きなインパクトはないようにも思います。

ウクライナ問題が企業収益にどこまで影響を与えるかが問題。

10.まとめ:今後の米国経済と株式市場、そしてVTI


これまでの事実を考察し、もう一度今後の米国株式市場とVTIについて考えてみます。


現在の状況  ⇒  米国株は強いです。弱気相場から脱したと言えるのかもしれません。


今後の予測  ⇒  今週は調整を挟む可能性はありますが、このまま一気に2022年年初高値まで行く可能性もあります。当然下に行く可能性もあるのですが、現状は弱い方向で考えるより強いか横ばいで見るほうが妥当と思われます。


ただし中長期ではまだわからない状況です。というのも高インフレ、FRBの利上げが米国経済に悪影響を当たる可能性があり、それが企業収益にマイナスをもたらすかもしれないからです。もし企業収益が弱いものとなるのなら、株価には逆風が吹くと思います。FRBはインフレ退治のため金利を引き上げざるをえないので、金融緩和も期待できません。


株価の上昇、下落の可能性  ⇒  私は横ばい、上昇を見ています。リスクオンの可能性が高いと考えています。しかし慎重に見る視点も必要です。


今後の投資行動  ⇒  今週はSPXLを一部売ろうかと考えています。株価は強いと見ています。ですので今のうちに高リスクのSPXLを一部売ろうと考えています。ただし株価が下落すれば押し目と見てSPXLを買い増します。基本は上目線で、VTIやUNH、MSFTは売らずに長期保有。SPXLは高リスクなので時宜をみて売買します。