ひろ投資の大原則ブログ

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【2月2日・米国株チェック】株価は急回復。FRBの態度がやや軟化。株式70%キャッシュ30%に10%株式を増やす。

目次


米国株式市場のチェックです。日曜日に今週の見通しを書いた記事を書きました。その記事の内容をベースに、現時点での米国株の状況をチェックしていきたいと思います。まずは結論を述べたいと思います。


株価は急速に戻してきていますが、株式70%、キャッシュを30%と、日曜日時点から株式の割合を10%増やしたいと思います。


株式市場の雰囲気は変化しています。FRB幹部が発言していますが、市場が考える一度に0.5%の利上げペースはあまり考えていないということで、態度が少し軟化しています。これを受けてか、株式市場にも落ち着きが見られています。今は逃避一辺倒の相場ではないと考えています。よって株式の割合を10%増やします。ただしまだ警戒感も抱くべきだと考えています。30%のキャッシュを確保しておこうと考えています。


次にこの結論に至った経緯を1つずつ解説していきます。


1.日曜日の予想と今の現状:株価は上に行き、株式の割合を少し増やしたのは正解だった

まずは日曜日の予想と現在の状況を比較したいと思います。日曜日の段階では、今週の株式市場は

「今週の株価は下にいくか上にいくか、それとも横ばいなのか。それはわかりません。しかし今週から少しづつ株を買っていく方針に転換しようと考えています。現在VTI50%、キャッシュ50%ですが、株式を10%増やします。株式60%、キャッシュ40%です」


と予想していました。


現在の状況は、1週間でS&P500が+4.36%、ナスダックが+5.96%、NYダウが+3.23%、ラッセル2000が+2.30%となっています。株価は上に行きましたが、とりあえず10%株式を増やしたのは正解でした。ただしこれは現時点での結果なので、この先はどうなるのかはわかりません。


2.米国10年債利回り:1.7%台後半で落ち着く

次に株価に大きな影響を与える、米国10年債利回りの動きです。2日時点で、1.795%となっています。ここ数日間は1.7%後半で落ち着いてきています。10年債利回りの落ち着きも株高の要因だと思われます。


10年債利回りの今後ですが、これはどうなるのか予想は難しいです。基本的にFRBによる利上げは、利上げ幅の振れはあると思いますが、利上げが行われることは確実です。ですから利回りも上にいくのが基本ですが、10年債利回りは2年債ほど政策金利に敏感ではありません。利回りが上昇すれば魅力を感じて買いに入る投資家もいるようです。


問題は上にいくというか、大きく上下動するとか2%の大台を超えるとか、ドラマチックな動きをすることが問題で、そうなれば株式市場にも波乱を起こすのかもしれません。


3.経済指標とイベントの状況:ISM製造業景況指数は予想を上回る

次に今週の経済指標とイベントの状況を確認しておきます。

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Investing.comより参照


現在のところISM製造業景況指数の発表が終わっています。結果は予想57.5に対し結果57.6。市場予想を上回っています。前月の58.8は下回っていますが、予想を上回っています。ISMは50を超えると景気の拡大を示しますので、鈍化したとはいえ拡大ペースは続いています。


ISM製造業景況指数を詳しく見ると、鈍化の要因は「サプライチェーンの問題で輸送が滞り製造できない」「オミクロンで従業員が休んでいる」の2つが主因です。サプライチェーンは解決の兆しはあるようですが、まだまだ完全解決とはいっていないようです。また雇用者は増えているのですが、オミクロンで従業員が休んでいることも、製造活動を妨げています。


また今週はISM非製造業景況指数と雇用統計の発表が控えています。雇用統計はオミクロンがあり、一時的な要因がつ強まるため、あまり重要視されないかもしれません。ISM非製造業景況指数は低いと警戒感が出そうです。


4.FRBの動き:姿勢は軟化。一度に0.5%の利上げは現時点では考えていない模様

次にFRBの動きです。FOMC後、大きな発言が相次いでいます。市場は一度につき、0.5%の利上げもあると警戒していましたが、フィラデルフィア連銀総裁やボストン連銀総裁はこの見解には賛成していないと発言。FRBのトーンがやや鈍化し、「政策は状況次第だ」というスタンスとなっています。


FRBはインフレは絶対に高くなるという姿勢ではなく、2022年後半に向けてインフレは落ち着く可能性も排除していません。よって政策金利はインフレ率が高ければ引き上げるし、インフレが収まれば引き上げ幅は少なくてすむ、といいうデータ次第な姿勢を取っています。


株式市場は現時点で、年初からのFRBの利上げは早まるのではないかとの警戒感は若干解きつつあります。ただインフレデータ次第では政策金利への警戒は再び巻き起こると思います。


5.動いているセクター、銘柄:ナスダック、小型株が戻す。エネルギーは好調を維持。

大きく動いているセクターや銘柄のチェックです。株価全体が回復しています。特にナスダック系と小型株は勢いよく開府しています。個別株では著名投資家の購入が明らかになったネットフリックスや、小型グロースの大幅反発が見られます。


今まで売られていた銘柄が買い戻されている状況で、今に限って言えば完全にグロースがバリューを上回っています。一方でエネルギーはまだ素晴らしい動きを見せています。特にエクソンモービルの決算でエネルギーセクターが再び上昇しています。


6.まとめ:今週の株式市場の動き、そしてVTIに対する見解

最後に今週の株式市場とVTIにたいする見解です。今週はよくわからないが予想です。日曜日時点と予想は変わりません。ただし行動は変化させます。日曜日時点で株式を10%増やすと書きましたが、水曜日時点でさらに10%増やします。株式70%キャッシュ30%に変化させます。


株価は急速に回復し、下落幅の半分を取り戻しています。このあたりがとりあえずの落とし所のように思います。これ以上上昇すると、少し戻し過ぎかなと思いますし、これ以上に下落すると、そこまで売られるほど状況は悪くないと思います。


FRB金利引き上げは幅はありますが、確実に起こるのでPERが22倍というのは正当化されません。ですから20倍程度に落ち着くのは妥当です。18倍程度に落ちるのも考えられますが、そこまで金利は高くありません。またアップルの決算が良かったように、企業の業績は悪くありません。オミクロンを受けてこの決算ですから、オミクロンが落ち着いたらどうなるのか、という期待もあります。


ただ株価が下がる可能性も考慮し、株式70%、キャッシュ30%くらいで待機しようと思います。VTIが230を超えたら、再び買い出動するかもしれません。どちらにしろVTIを売った価格からは安く買い戻せているし、1月に売っていたおかげで被害は少なくすんでいます。


次に3ヶ月後の予想ですが、これもよくわからないです。というのもFRBが「政策金利はインフレデータ次第だ」といっているので、株価もインフレデータ次第だと思います。インフレが高ければ株価は悪くなるかもしれないし、低ければ株価には追い風かもしれません。ですので、現時点で予想はできないです。


ですから株式70%とキャッシュをある程度持っておくのが正解かなと考えています。