目次
- 1.VTIと主要指数の動き:FOMCを終えてややプラスで終える
- 2.VTIのチャート:下値付近で動く
- 3.主要指数の予想PER:20倍を切って超割高とは言えなくなる
- 4.米国10年債利回り:1.7%後半で落ち着いてきた
- 5.FRBの動き:FOMCでははっきりした結論がでなかった
- 6.経済指標:インフレ指標はほぼ市場予想通り
- 7.米国家計の債務返済比率:ここはまだ大丈夫
- 8.今後の企業EPS:決算は好調。特にアップルが好決算。
- 9.まとめ:今後の米国経済と株式市場、そしてVTI
米国株式市場の状況とVTIの動きを考察し、今後の投資行動の基にしようという記事です。まずは結論を述べたいと思います。今週の株価は下にいくか上にいくか、それとも横ばいなのか。それはわかりません。しかし今週から少しづつ株を買っていく方針に転換しようと考えています。現在VTI50%、キャッシュ50%ですが、株式を10%増やします。株式60%、キャッシュ40%です。
次にこの結論に至った要因を1つずつ書いていきます。
1.VTIと主要指数の動き:FOMCを終えてややプラスで終える
まずはVTIとS&P500、NYダウ、ナスダック、ラッセル2000といった、主要指数の先週1週間の動きです。
VTI+0.53%、S&P500+0.77%、NYダウ+1.34%、ナスダック+0.01%、ラッセル2000-1.62%となりました。
2.VTIのチャート:下値付近で動く
次にVTIのチャートです。
下値付近で動いています。50日移動平均線も200日移動平均線も下回っていますが、一応下値付近で動いています。次に動くのは下なのか、上なのか。それとも横ばいなのか。わかりませんが、高値よりずいぶん下がったのは間違いないです。
3.主要指数の予想PER:20倍を切って超割高とは言えなくなる
主要指数の予想PERです。ウォールストリート・ジャーナルより参照しています。S&P500の予想PERは19.72、ナスダック100は23.89、NYダウは18.41、ラッセル2000は21.56となっています。
随分下がってきました。S&P500は20倍割れました。19.72は過去の水準より高いです。しかし超割高とは言えなくなっています。いっぽうでナスダック100はまだ高いように思われますが、アップルやマイクロソフトの決算を見ると、少し高いのはしょうがないと思います。ただナスダックは金利の影響を受けるので、判断は非常に難しいです。
一方で低い水準まできたと思うのがラッセル2000です。これは過去の平均よりも低いです。まあそれでも怖いといえば怖いです。
4.米国10年債利回り:1.7%後半で落ち着いてきた
株価に大きな影響を与える、投資の大事な指標の米国10年債利回りの動きです。先週金曜日時点で、1.778%となっています。
上下に動いていますが、結局は1.7%の後半に落ち着くのが最近の動きです。10年債利回りは落ち着いて来たのかなと思います。
市場の2022年6月15日時点の金利予想です。
一番高い予想利回りは0.75〜1.00%で60.0%のとなっています。前回は31.8%でした。次に高い予想利回りは0.50〜0.75%で29.6%となっています。前回は46.4%でした。利回りの予想は上方に修正されています。市場は速いペースでの利上げを見込んでいるようです。
市場の2022年12月14日時点の金利予想です。
一番高い予想利回りは1.25〜1.50%で32.8%となっています。前回は31.5%でした。次に高い予想利回りは1.00〜1.25%で26.3%となっています。前回は26.7%でした。こちらは余り変化がありません。
市場の予想通りに利上げが進むとすれば、3・6・9・12月に利上げをするとすれば、一度は0.50%の利上げをすることになります。それか3・6・9・12に0.25%の利上げをして、他のFOMCのときに0.25%の利上げをするか。
仮にですが、もし1.25〜1.50%まで利上げが進まずに、1.00〜1.25%の利上げで終われば、市場にとってはポジティブサプライズです。
5.FRBの動き:FOMCでははっきりした結論がでなかった
FRBの動きです。先週はFOMCというビッグイベントがありました。しかし蓋を開けてみれば、大きなサプライズはなく、利上げをいつするのか、利上げ幅はどうなるのかといった、具体的な言及はなかったです。これからどうなるのかの手がかりはなかったように思います。
インフレを退治するという明確な意思はないのかなと思いました。正直なところ、FRBは年末にかけて、自然にインフレ率が下落するというシナリオを頭に入れているように思いました。インフレが自然に下がり、利上げをできるだけ伸ばして経済の好調を維持したいというのが、FRBが本当に望んでいることかもしれません。
6.経済指標:インフレ指標はほぼ市場予想通り
先週1週間の重要な経済イベント、指標です。
FOMCは先ほど書きました。あとはPCEデフレーターです。こちらはほぼ市場予想通りでした。しかし雇用コスト指数が市場予想を下回っています。これは雇用コストの伸びが鈍化していることを示しています。賃金インフレの心配がやや後退したのかもしれません。それでもインフレ全体がこれから落ちるとはまだまだ言えない状況です。
7.米国家計の債務返済比率:ここはまだ大丈夫
米国の家計の債務返済比率です。2021年第3四半期時点で9.21となっています。コロナ前の2019年頃は9.5を超えるのが普通でしたので、今の9.21は歴史的に見ても低い水準です。現在、消費意欲は旺盛で現在はもう少し上昇していると思いますが、まだまだ安全だと思います。
現実にどういう問題が起きているかというと、「賃金の上昇が起きて家計にお金が流れている」、「インフレは起きているが、お金を使いたくても供給の制約があって使えない」、「コロナが長引いて思ったように外出できず買い物の機会がない」という状況になっていると思われます。
8.今後の企業EPS:決算は好調。特にアップルが好決算。
今後の企業業績について考えたいと思います。
現在、決算シーズンですが、予想を上回る決算が多いようです。ネットフリックスなど予想を下回る企業は一部ありますが、総じて見るとプラスです。ですから、リーマンショックのように最悪な状況ではないように思います。政策金利は気になるが経済は最悪ではない、という状況です。
特にアップルとマイクロソフトの決算が良かったことが市場全体に好印象を与えたと思います。特にアップル。かなり良い決算でした。時価総額の1、2位の2社の株価が上がれば市場全体にも好影響を与えます。アップルやマイクロソフトが売られづらい展開になれば、市場全体も落ちにくいことに繋がるかもしれません。
9.まとめ:今後の米国経済と株式市場、そしてVTI
これまでの事実を考察し、今後の米国株式市場とVTIについて考えてみます。いくつかのシナリオがあると思います。
まずは今週。正直わかりません。下に行く可能性もあるし、上に行く可能性もある。横ばいの可能性は十分にあります。アップルの決算は市場の良い印象を与えた感はあります。しかし政策金利やインフレの行方は以前不透明です。ですからこれから下値を試してもおかしくはないです。
一方で企業決算は好調ですし、10年債利回りも落ち着いた動きになってきたように思います。落ち着きを取り戻せば、安くなったPERの水準に目が向くかもしれません。ただし今週は経済指標でISMの発表があるので、これは1つの鬼門だと考えています。
投資行動ですが、私は株を慎重に少しづつ買っていく方針に転換しようと考えています。現在VTI50%、キャッシュ50%ですが、まずは株式の割合を10%増やします。買う銘柄はVTI、MSFT、UNH、RPRX、VBKをそれぞれ2%づつ購入しようと考えています。キャッシュは40%です。
「株価が下がる可能性はあるが、随分安くなったので打診買い」というスタンスです。まずは株式60%、40%。次はどうするのかまだ決めていませんが、数ヶ月にわけてフルインベストメントに持ってければよいのかなと考えています。
次に3ヶ月後の予想ですが、これもよくわかりません。まずはオミクロンが落ち着いて人の動きがどうなるのか。経済の状況はどうなるのか。ただし予想ですが、私は米国の経済状況はそれなりに良くなると思います。理由は人々はお金を持っているから。今は金を持っているけど、オミクロンで外出できずに金を使えない状況です。経済が良くなる原資はあります。
基本は経済と株式市場の先行きがよくわからないので慎重に行くスタンスですが、少しづつ買向かうということをやっていこうと考えています。