ひろ投資の大原則ブログ

株と国債の長期分散投資、守りも重視します。

【1月16〜21日】米国株式市場の状況とVTIの動き。VTI急落。ここはさらにキャッシュポジションを高める場面。

目次


米国株式市場の状況とVTIの動きを考察し、今後の投資行動の基にしようという記事です。まずは結論を述べたいと思います。株価が大きく下落しています。ここまで株価が下げるとしばらくは株式市場は立ち直れないと思います。今週からしばらくは株式市場は良くない地合いだと思われます。


前回のブログではVTI50%、XLE20%、キャッシュ30%と書きました。これはVTIのバイ・アンド・ホールドに比べると功を奏したと思います。今回はさらにキャッシュ比率を上げて、VTI50% 、キャッシュ50%にするのがいいと思います。私のようにVTIの長期保有を考えていない場合は、さらにVTIの割合を下げるとか、手仕舞いするのも選択肢かもしれません。


次にこの結論に至った要因を1つずつ書いていきます。


1.VTIと主要指数の動き:大きく低下

まずはVTIとS&P500、NYダウ、ナスダック、ラッセル2000といった、主要指数の先週1週間の動きです。

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Investing.comより参照


VTI-6.00%、S&P500-5.68%、NYダウ-4.58%、ナスダック-7.55%、ラッセル2000-7.58%となりました。先週は大幅に下落。完全に下落モードとなっています。後述しますが、市場が考える政策金利の予想が大幅の上昇。FRBが利上げを急ぐという展開が急速に織り込まれています。


ここまでの下げを記録すると、しばらく市場は立ち直れないと思われます。


2.VTIのチャート:節目の220まで急転直下

次にVTIのチャートです。

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Investing.comより参照


VTIは急速に下げています。ここまで急速に下げるとは予想外でした。節目の220まであっという間に下げています。この急速な下げは市場参加者の警戒感を呼ぶので、しばらく立ち直れないと思われます。下げ過ぎな気はしますので、しばらく大きなポジションを持つことは控えるべきです。


3.主要指数の予想PER:調整もまだ低いとは言えない

主要指数の予想PERです。ウォールストリート・ジャーナルより参照しています。S&P500の予想PERは20.10、ナスダック100は22.91、NYダウは17.79、ラッセル2000は23.09となっています。


予想PERもかなり調整しています。特にナスダックとラッセル2000は大幅調整。ただし歴史的にみると、S&P500の20倍やナスダックの22.91はまだ低いとは言えない状況です。まだ調整してもおかしくない水準です。


4.米国10年債利回り:一時1.89%まで上昇

株価に大きな影響を与える、投資の大事な指標の米国10年債利回りの動きです。先週金曜日時点で、1.770%となっています。

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Investing.comより参照


先週は1.793%でした。ただし19日には1.89%まで上昇するなど、非常に荒い動きをしています。ただここまでの利回りになると、魅力を感じる投資家も出てきているようです。まあFRBの利上げが確実な中、ここで買向かうのもなかなか勇気がいる行為ではあります。



市場の2022年6月15日時点の金利予想です。

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cmegroupより参照


一番高い予想利回りは0.50~0.75%で46.4%となっています。前回は50.7%でした。次に高い予想利回りは0.75~1.00%で31.8%となっています。前回は27.4%でした。市場の予想は0.50〜0.75%から0.75〜1.00%へと、高い方にシフトしています。


市場の2022年12月14日時点の金利予想です。

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Investing.comより参照


一番高い予想利回りは1.25〜1.50%で31.5%となっています。前回は0.75〜1.00%の33.2%でした。次に高い予想利回りは1.00〜1.25%で26.7%となっています。前回は26.6%でした。


こちらも予想は高くなっています。前回の0.75〜1.00%から1.25〜1.50%へと大きく上昇。利上げをかなり織り込んできています。


この動きは当然株価に悪影響です。


5.FRBの動き:発言はないが、利上げ姿勢

FRBの動きです。FOMCが近づいたので発言はありませんが、FRBの動きは利上げ目線でしょう。元々はハト派だったブレイナードさんもタカ派転向発言をしています。


6.経済指標:特になし

先週1週間の重要な経済イベント、指標です。先週は大きな経済指標、イベントはありませんでした。


7.米国家計の債務返済比率:ここはまだ大丈夫

米国の家計の債務返済比率です。2021年第3四半期時点で9.21となっています。コロナ前の2019年頃は9.5を超えるのが普通でしたので、今の9.21は歴史的に見ても低い水準です。現在、消費意欲は旺盛で現在はもう少し上昇していると思いますが、まだまだ安全だと思います。


現実にどういう問題が起きているかというと、「賃金の上昇が起きて家計にお金が流れている」、「インフレは起きているが、お金を使いたくても供給の制約があって使えない」、「コロナが長引いて思ったように外出できず買い物の機会がない」という状況になっていると思われます。


8.今後の企業EPS:第4四半期はいいが、ガイダンスは悪くなる見通し

今後の企業業績について考えたいと思います。

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FACTSETより参照


現在、決算シーズンの真っ只中です。第4四半期の決算に関してはそれなりに良いと思われますが、ガイダンスが悪いと予想されています。


9.まとめ:今後の米国経済と株式市場、そしてVTI

これまでの事実を考察し、今後の米国株式市場とVTIについて考えてみます。いくつかのシナリオがあると思います。


まずは今週と短期ですが、非常に見通しは悪いです。前回はVTI50%、XLE20%、キャッシュ30%に引き下げると書きました。この方法はVTIのバイ・アンド・ホールドよりかは、下げ幅が少なくなっています。これがコアサテライト戦略のメリットなのかなと感じました。


今回はこれからさらに現金比率を上げるべきだと思います。私はVTI50%、キャッシュ50%にしました。しかし私のようにVTIを長期で保有しようという考えがない場合、VTIの保有にこだわらずに売ってもいいのかもしれません。VTIもナスダックやラッセル2000を含んでいますので、下げることは下げると思います。


ここまで株価が下がると、経済状況がどうとかFRBがどうとかではなくて、売りが売りを呼ぶ展開というか、投資家心理として買いたくない状況が生まれます。ここで買向かう機関投資家がいたら、その人はクビになるでしょう。


ただし3ヶ月後、中〜長期でみると、状況次第ですが私は悲観的ではありません。株価が2021年より高くなるとは考えていませんが、少し戻すくらいは考えています。VTIでいうなら230まで戻す可能性はあると考えています。


まとめると、今週〜短期ではキャッシュポジション高め、3ヶ月後〜中長期では、株価が戻す可能性を見ています。ただし今買い向かうのは愚の骨頂ですので、1ヶ月は様子をみたほうがいいと思います。この間に、次に来る展開の予想や準備をすすめるのがいいと思います。