目次
VTI(Vanguard Total Stock Market)の、先週1週間の動きを振り返り、今後の役に立てようという記事です。
1.VTIと主要指数の動き
まずはVTIとS&P500、NYダウ、ナスダック、ラッセル2000といった、主要指数の先週1週間の動きです。
VTI+0.56%、S&P500+0.79%、NYダウ+1.22%、ナスダック+0.09%、ラッセル2000−0.30%となりました。ラッセル2000のみがマイナスで、ほかはプラスで引けました。NYダウの強さはエネルギー価格の上昇によりエネルギーセクターが買われたことと、金利の上昇圧力により金融セクターが買われたことが大きいです。逆に金利の上昇により、ハイテクや小型株など高PER株は売られる展開になっています。
年初来ではNYダウ、ナスダック、ラッセル2000の13%台に対し、S&P500は16%と一人勝ち。NYダウとナスダックの良いとこ取りしています。
2.VTIのチャート
次にVTIのチャートです。
直近の安値からは反発していますが、50日移動平均線にはまだ戻っていません。もう一波乱あってもおかしくない展開です。VTIに関しては220ドルが安値の底として意識されそうです。
3.主要指数の予想PER
主要指数の予想PERです。ウォールストリート・ジャーナルより参照しています。今回はNYダウのみの数値。S&P500、ナスダック、ラッセル2000が更新されていなかったため。NYダウの予想PERは18.88となっています。前回より上昇しています。
4.米国10年債利回り
株価に大きな影響を与え、投資の大事な指標である、米国10年債利回りです。先週金曜日時点で、1.612%となっています。
とうとう1.6%台にのせました。この金利の上昇がナスダックやラッセル2000が弱い一因です。FRBによりテーパリング開始、2022年の予想される政策金利の利上げ。どう考えても金利の上昇圧力は強まっています。相場の格言に「中央銀行と喧嘩するな」とあるので、金利が大きく下落することはもうないと思います。まあ突発的事項が発生すれば別ですが、基本シナリオは金利の上昇です。
5.経済イベント
先週1週間の重要な経済イベント、指標です。
先週の大きな指標は雇用統計とISM非製造業景況指数です。ISMでは米国の景気がかなり強いことが示されました。物価高やコロナなどありますが、基本、米国の経済が強いということが改めて確認されました。これは言い換えると、企業業績も底堅いと連想させるので、ISMが強かったことは株価の下支えになると思います。
一方雇用統計は予想を下回りました。ただし前回8月分は上方修正されました。予想を下回ったことで、雇用の回復は遅れているのかと思わせますが、失業保険の上乗せが9月で切れたので、今後雇用は回復すると期待されています。それを裏付けているのか、新規失業保険申請数も減少していて、人々が職を得ていることが示唆されます。
6.今後のVTI
これらの動きを見て、VTIについて考えてみました。リスク要因がいくつか後退したことは大きい。債務上限問題は先延ばしされました。中国恒大問題はトーンを弱めつつあります。現在の主要なリスクはインフレが一時的ではないということと、FRBによるテーパリング開始。これは金利の上昇要因でもあります。また短期間で終わらない問題なので、相場をある程度、抑え込むと思います。
一方で企業業績は悪くないです。いくつかの企業による利益警告などが出ているようですが、サプライチェーンの乱れや半導体不足などによる供給不足が原因となっていることが多いです。ただし好調な経済を背景に、企業業績の好調な企業が多いと思われます。ここは株価の下支えになると思います。
もし株価が下落しても大きな急落はないのかなと思います。しかし大きく上昇するというのも考え辛く、下がったところで少しづつ拾っていくことを続けていこうかなと考えています。