目次
- VTWOの紹介
- 過去のパフォーマンス
- VTWOのメリット→GAFAMの影響を受けず、幅広く分散投資できる
- VTWOのデメリット→GAFAMが入っていないことでパフォーマンスが悪くなる可能性
- 経費率
- 取り扱い証券会社
- まとめ:VTWOへの投資は、GAFAMとどれくらい距離を取るかで決まる
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VTWOの紹介
VTWOは米国の「ラッセル2000」という指数に連動するように、設計されたETFです。ヴァンガードが商品化しています。「ラッセル2000」とは米国株式市場に上場している銘柄のうち、時価総額が上位1001〜3000に属するものを集めた指数になります。2000社に投資しているので、分散はされているETFです。
ラッセル2000は大型株を排除した指数となっているので、アップルやマイクロソフト、P&G、コカ・コーラなどの大型銘柄は入っていません。どちらかというと、あまり知らない銘柄が多いETFとなっています。
なおVTWOとほぼ同じETFがあり「IWM」といいます。こちらはブラックロックが商品化し、同じくラッセル2000と連動するETFとなっています。同じようなETFなのでVTWOとともに調べ、情報を併記しました。
過去のパフォーマンス
過去の株価のパフォーマンスは将来を保証するものではありません。しかしどういう動きをするのは特徴を捉えることはできます。
まずはVTWOとIWM、ラッセル2000の比較です。5年間チャートを用いています。1つしか線がないようにみえますが、実は3つあります。ほとんど同じ動きで線が重なっているので、1つに見えるだけ(最後のほうにちょこっと違う色が見えるくらい)。このようにこの3つはほとんど連動しています(当たり前ですが)。
VTWOが+84.08%、IWMが+83.07%、ラッセル2000が82.98%。小さな差ですが、VTWOのほうが1%ほど高くなっています。VTWOとIWMの比較では、経費率も考えるとVTWOのほうが良いように見えます。ただし微妙な差で、かすかなブレと思われるので大差はないです。VTWOの方が良いのかもしれませんが、IWMに投資してもラッセル2000との連動は保たれています。
次にVTWOとS&P500、ナスダック指数との比較です。IWMはVTWOとほぼ同じパフォーマンスなので割愛しています。S&P500は米国株式市場で最も代表的な指数。またナスダックは好調なハイテク関連銘柄を揃えた、米国を代表する指数です。VTWOは+84.08%、S&P500+103.64%、ナスダックは182.16%となっています。圧倒的にナスダックのパフォーマンスが高く、次いでS&P500、最後にVTWOがきています。
この結果を見ると、VTWO・IWMのラッセル2000に投資するメリットは無いと考えられますが、結論付ける前に1年チャートを見ます。
1年間で見ると、VTWOは+42.14%、S&P500は+31.58%、ナスダックは34.08%となっています。5年間チャートに比べると、順位が逆転しています。5年間と1年間の結果が違うことを、どう考えるのか?これはハイテクセクターの今後を、どう考えるのかだと思います。
ナスダックはハイテクセクターの占める割合が大きく、中でも「GAFA」といった巨大IT企業の占める割合が大きいです。ですからハイテクセクターやGAFAといった特定のセクター、企業にパフォーマンスが左右されやすいです。
ですので、これからもハイテクセクターやGAFAはまだまだいけると思うのなら、ナスダックに投資し、将来どうなるのか分からない、と思うのであれば、ナスダックよりは分散されたS&P500などに投資するのがいいのではないかと思います。
VTWOのメリット→GAFAMの影響を受けず、幅広く分散投資できる
ここまでいろいろなことを見てきた上で、IWMに投資するメリットを考えたいと思います。VTWOに投資するメリットの1つは、S&P500にIWMを加えると、より広く分散投資できることです。
S&P500はナスダックよりGAFAの構成割合が低く、影響を受けづらいですが、GAFAMで約22%を占めます(2021年8月12日現在)。22%は結構高いと思います。また米国の株式市場のほぼ全てを網羅しているETFの「VTI」でも5社の占める割合は約18%です(2021年8月12日)。
この5社の株価は似たような動きをすることが多いので、個人的にはもしこの5社の株価が悪ければどうなるのか、と考えます。
ですからS&P500などの主要指数に、VTWOやIWMなどのアップルなどが入っていないETFを加えることで、5社の割合が小さくなり、より分散投資できます。
VTWOのデメリット→GAFAMが入っていないことでパフォーマンスが悪くなる可能性
VTWOのデメリットです。先程のメリットと矛盾しますが、デメリットはGAFAMの株価の影響を受けないことがデメリットかもしれません。というのも先程の5年間チャートを見て分かるように、過去はGAFAMの影響を強くうけるナスダックの株価のパフォーマンスが圧倒的に良かったです。
逆にいえば、GAFAMの影響を受けないVTWOのパフォーマンスはナスダックより劣っていました。もし今後もGAFAMの株価が絶好調なら、VTWOの株価は悪い可能性に繋がります。
経費率
経費率はVTWOが0.10%、IWMが0.19%となっています。ほぼ同じ動きをするので、VTWOのほうが良いと思います。
取り扱い証券会社
取り扱い証券会社ですが、SBI証券と楽天証券は両方の取り扱いありで、マネックス証券はIWMしか取り扱いがありませんでした(2021年8月12日現在)。私はマネックス証券で買ったので、IWMになりました、、、。
まとめ:VTWOへの投資は、GAFAMとどれくらい距離を取るかで決まる
まとめですが、私はIWM(VTWO)に投資しています。理由はGAFAMの割合を減らしたいからです。他にもVTWO・IWMはS&P500と少し違う動きをするから、押し目買いをしたかったからなどの理由はあります。しかし一番大きな理由はGAFAM依存が怖いからです。
株式市場の歴史をみると、時価総額の大きな銘柄は変遷しています。鉄鋼会社や石油会社、ゼネラルエレクトリック社(GE)など時代とともに変遷しています。
はっきりいって、これからGAFAMの時代がを終わるとは考えづらいです。アップルやアマゾン、フェイスブックなどは自らの脅威になりそうな技術や企業を買収して、脅威の芽をいち早く摘んでいます。そういうこともGAFAM時代が続きそうな予感を感じさせます。
まあそれでも何が起こるのかわからないので、私はIWM(VTWO)に投資しています。また過去のパフォーマンスも十分に高いと思うので、もしナスダックより劣っても、リスク回避したと、それはそれでいいのかなと考えています。