Q3:パッとしない決算内容
☆売上、営業利益、EPS
売上は−7.5%、営業利益は−2.8%、EPSはプラス1.3%でした。正直なところ、パッとしない決算です。コロナウイルスの影響があるのは分かるのですが、他のIT企業の成績と比べると見劣りするなと感じざるをえません。
シスコの弱いところは一言でいえばレガシーの製品事業が弱いところ。サービス事業は今回の決算でも数値を伸ばしていますが、製品事業の売上がマイナス12%と著しく落ち込んでいます。レガシー事業の不振に苦しむIBMと構造が似ています。ただQ2くらいまではそこそこ調子が良かっただけに、今回の冴えない決算はコロナの影響による一時的なものかなと考えることはできます。
☆2020年Q4見通し
2020年Q4の見通しを会社側は出しています。0.72〜0.74です。2019Q4に比べるとかなり苦しい数値になっています。ただ2020年通期では、Q4EPSが下限の0.72でも3.12となり、2019年通期のEPS3.09を超えることになります。ですので、個人的にはQ3の決算内容を見て、シスコが良いとか悪いとかの判断は下せないのかなと感じています。2020年は一応、若干、少しだけですが2019年よりEPSが上昇しそうだからです。
☆配当金の継続性
配当金の継続性に関しては、今のところ何の心配もないと思います。配当性向は43%とまだまだ余裕はあります。ただ増配率はEPSの成長率にも影響を受けるので、今の低いEPS成長率が続くのならば、増配率も低くならざるをえないのかもしれません。
☆Q3を受けての感想
総合的に考えると、シスコは様子見かなと思います。今回の決算は冴えないと感じましたが、コロナウイルスの影響もあります。Q2まではそれなりに良い数値だったため、コロナウイルスの影響がなくなれば良い数値に戻る可能性があります。
ただコロナウイルスの影響は終わることなく将来的にも続くのではないかという疑問があります。そしてコロナの世界でも他のIT企業は良い数値を出しているだけに、シスコの業績に???も出てきます。
正直、以前からシスコに関しては評価が難しかったです。ですので、「どうなのかな〜」というイメージのまま今まで保有継続してきました。株価も上昇していますし。今回もそのスタンスを維持して、性急に見切りをつけることは控え、Q4の決算もありますので様子をみようと思います。
参考:
Investor Relations - Cisco Reports Third Quarter Earnings - Cisco