ひろ投資の大原則ブログ

株と国債の長期分散投資、守りも重視します。

アメリカの影の部分・オピオイド危機

1.アメリカの影の部分

アメリカには華やかで光に満ちている反面、とても暗い影の部分がある。個人的にはアメリカの暗部は銃乱射、経済格差、それに薬物乱用だと思っている。これらの問題はアメリカの暗い部分を象徴している。今回はその中で薬物乱用の酷さについて書きたい。今、米国で深刻な問題になっているオピオイド危機だ。

 

その前に書いておくと私はアメリカのことが大好きだ。アメリカは魅力のある国だからだ。私がアメリカに深く興味を持ったのは米国株投資を始めてから。米国株投資を続けている一番の理由はアメリカの株主第一の姿勢が素晴らしいことにある。それに投資だけでなくアメリカという国自体が好き。成功者を称える風土がいいし、エンターテインメントも一級品が多い。それにハンバーガー大好きな私はアメリカに行って巨大なハンバーガーを食べたい。

 

一方で冒頭に書いたようにアメリカには暗い影の部分がある。普通に暮らしていればそれらの部分にニュースで触れる機会がある。また私は投資をやっているせいかアメリカの情報に敏感になっている。ニュースでアメリカの暗い部分に触れるにつれ「この国は成功しているように見えるが、部分的には何かを見落としているのかもしれない。アメリカ国民全員に恩恵が及んでいるとは限らない」と感じることがある。すべてがバラ色で全部が成功しているとはいえない。また私の行う投資という行為がアメリカの暗い部分を増長させている可能性もあるかもしれない。利益優先行為が人間の優しさをないがしろにすることはあるだろう。

 

2.やばいオピオイド

オピオイド危機はそうとうやばい。2017年にトランプ大統領オピオイド危機に対し、非常事態宣言を出すくらいやばい。オピオイドによる死者数は2017年に4万7600人に達している。死者数が4万7600人ということは依存症の人たちが相当な数いるということだ。JETROのレポートには、

乱用者は少なくとも約1,140万人に上り、うち210万人が依存症に陥ったという(JETROより引用)

オピオイドは非常に強い依存性があるようで、1週間投与を続けただけで生涯依存症に繋がるとテレビで見たことがある。なによりオピオイド問題の悲惨さは製薬会社と医者が組織的に、自らの利益のために合法的に鎮痛剤のオピオイドを広げたことにある。言い換えれば病院で処方された薬で依存症になってしまった人たちがいるということだ。詳細はオピオイドwikipediaに載っているが、製薬会社から医者へと繋がる悪質な連鎖がこの危機を拡大させている。オピオイド危機のダメ押しはオピオイドの問題が明るみになった後にある。問題が明るみになったのでオピオイドは簡単に処方されなくなった。しかし依存症の人は大勢いるので需要はある。そこで急拡大したのがフェンタニルという代替物だ。フェンタニルはヘロインの50倍強い効力を持つということでヤバすぎる代物だ。

 

ja.wikipedia.org

 

このオピオイド依存症のどこまでが個人の責任でどこまでが製薬会社や医者の責任なのかはわからない。が、オピオイドの拡大経路を考えると他の依存症にくらべ製薬会社や医者の責任範囲は広い。それにこれは薬として販売されたわけだから、国の認可もおりているはずだ。その責任も当然ある。ニュースでは製薬会社や特定の一族ばかりが報道されるが国としての責任もあると思う。

 

3.この国はどうなっているのか

なんというかオピオイド危機について調べると、アメリカのモラルはどうなっているのかと疑問に思う。今回は製薬会社や医者がかなりのモラル違反を犯し続けてきた。製薬会社や医者の社会的ステータスは高い。おそらく学歴も高く世の中のエリート層だろう。だがこのエリート層のモラル意識の欠如がひどい。日本人の製薬会社や医者だと「さすがにまずいだろう」という意識が働くと思う。アメリカの金のために行動するという行動規範が危機の根本なのかもしれない。

 

4.アメリカの光と影

冒頭にも書いたが、私はそれでもアメリカが好きだ。どうなってんの?と思う部分もあるが、基本的には魅力のある国だ。時々アメリカには魅力があるから、暗い部分も際立つのかもしれないということを感じる。光についていけず、影に落ちざるをえない人がいる。影に落ちた人にもチャンスはあるのだろうが、落ち続けた人には酷い国なのかもしれない。